広島市・呉市・福山市、子育て支援の補助金を徹底比較2026年

まりさん

夫の転勤で広島県内での引っ越しを検討中なんですが、広島市・呉市・福山市のどこに住むかで迷っています。同じ広島県内でも、子育て支援の制度って市によってけっこう違うものなんでしょうか。

高橋先生

はい、同じ広島県内の3市でも、医療費助成の対象年齢や所得制限の有無、保育料の多子軽減の仕組み、就学援助の金額表示の有無まで、細かい違いがあります。この記事では広島市・呉市・福山市を、医療費助成・保育料・就学援助・出産にまつわる給付金の4項目で比較していきますね。

広島市・呉市・福山市の子育て支援比較一覧表

いずれも2026年8月〜9月時点の各市公式サイトの情報をもとにしています。制度は改定される可能性があるため、引っ越しを検討する際は必ず各市の最新情報でご確認ください。

比較項目 広島市 呉市 福山市
医療費助成 対象年齢 中学3年生まで(2027年1月から高校生年代まで拡大予定) 0歳〜18歳到達後最初の3月31日まで(高校生等) 0歳〜中学3年生まで(15歳到達後最初の3月31日まで)
医療費助成 所得制限 あり(2027年1月撤廃予定) なし(令和5年10月撤廃) なし(2023年10月撤廃)
通院 自己負担(1医療機関あたり) 所得区分により1日500円〜1,500円(月2〜4日限度) 1日500円(月4日まで、月上限2,000円) 1日500円(月4日まで)
入院 自己負担 全区分無料 1日500円(月14日まで、月上限7,000円) 1日500円(月14日まで)
0〜2歳児 保育料の多子軽減 年齢問わず第1子から数え第2子半額・第3子以降無料(所得制限なし) 同時入所の場合1人目全額・2人目半額・3人目以降無料。扶養3人以上世帯は別枠で3人目以降が3歳の年度末まで無償 2024年9月から第2子以降を所得制限・年齢制限なしで無償化(認可保育所)
入学準備金(新入学学用品費・小学校) 57,060円(令和8年度案内額) 57,060円 公式サイトに金額の明記なし
入学準備金(中学校) 63,000円 63,000円 公式サイトに金額の明記なし
入学準備金の入学前支給 あり あり(令和8年3月19日支給予定) なし(入学後の4月認定者のみ対象)
出産にまつわる給付金 妊婦支援給付金 単胎10万円(妊娠後5万円+出産予定日8週間前以降5万円) 国の「妊婦のための支援給付」を実施(金額は要確認) 妊娠・子育て支援金 単胎10万円(妊娠支援金5万円+子育て支援金5万円)

※各数値は2026年8月〜9月時点の公式発表をもとにしています。申請前に必ず居住予定の市の公式サイトでご確認ください。

子ども医療費助成の比較

まりさん

対象年齢と所得制限、市によってかなり違うんですね。うちは共働きで所得もそれなりにあるので、所得制限の有無は結構気になります。

高橋先生

そうですね。3市の中で2026年8月時点で唯一所得制限が残っているのが広島市です。呉市・福山市はすでに所得制限を撤廃しているので、共働きで所得が高い世帯ほど、この差は実感しやすいはずです。

広島市の医療費助成

広島市は中学3年生まで(2026年8月時点)が対象で、保護者(生計中心者)の所得に応じて自己負担額が2段階に分かれます。「一部負担金の基準額」未満なら通院1日最大500円(月4日まで)ですが、基準額以上になると未就学児は1日最大1,000円(月2日まで)、小学生〜中学生は1日最大1,500円(月2日まで)に上がります。さらに「所得制限額」以上の場合は、2026年12月診療分まで補助そのものの対象外です。入院は所得区分にかかわらず自己負担がありません。2027年1月診療分からは対象年齢が高校生年代まで拡大し、所得制限も撤廃される予定です。

参照:広島市「こども医療費補助制度」、広島市のこども医療費助成を詳しく解説した記事

呉市の医療費助成

呉市は0歳から18歳到達後最初の3月31日まで(高校生等)が対象で、令和5年10月1日から所得制限を撤廃しています。自己負担は同一の医療機関で1日500円(500円未満はその金額)で、通院は月4日まで(5日目以降は無料、月上限2,000円)、入院は月14日まで(15日目以降は無料、月上限7,000円)です。院外処方の調剤薬局や装具代には自己負担がありません。

参照:呉市「こども医療費助成制度」

福山市の医療費助成

福山市は0歳から中学3年生まで(15歳到達後最初の3月31日まで)が対象で、2023年10月1日から所得制限を撤廃しています。自己負担は1医療機関につき1日500円(500円未満はその金額)で、通院は月4日まで、入院は月14日まで、院外薬局は無料です。「ひとり親家庭等医療費」の助成を受けている場合や生活保護を受けている場合は対象外になります。

参照:福山市「子ども医療費助成事業の概要について」

まりさん

対象年齢だけ見ると呉市が一番広いんですね。所得制限がある広島市だと、うちは基準額を超えて自己負担が上がるか、下手すると所得制限額を超えて今は対象外になっているかもしれません。

高橋先生

現時点ではその可能性があります。ただし広島市も2027年1月からは対象年齢が高校生年代まで拡大し、所得制限も撤廃される予定なので、その時点では3市の差はかなり縮まります。今の所得状況で医療費助成の手厚さを重視するなら、呉市・福山市の方が有利という見方ができます。

保育料・多子軽減の比較

まりさん

うちは3歳の上の子と0歳の下の子がいます。3〜5歳の保育料は国の制度で無償と聞いていますが、0〜2歳の保育料と多子軽減の仕組みは3市でどう違うんでしょうか。

高橋先生

3〜5歳児クラスが無料なのは3市とも共通です。差が出るのは0〜2歳児クラスの保育料と、きょうだいがいる場合の多子軽減の仕組みです。順番に見ていきましょう。

広島市:所得に応じた17階層+多子軽減

広島市の0〜2歳児クラスの保育料は、世帯の市町村民税所得割額をもとにA〜C17の17階層に区分され、標準時間認定の最高額は月62,400円です。多子軽減は、保育園等に入園している子どものほかに生計を同一にするきょうだい等を年齢にかかわらず第1子から数え、第2子にあたる子どもは保育料半額、第3子以降にあたる子どもは保育料・副食費ともに無料になります。所得制限はありません。ひとり親世帯等(市町村民税所得割合算額77,101円未満・C1〜C7)は、さらに手厚い軽減があります。

参照:広島市「保育料・副食費」、広島市の保育料・多子世帯減免を詳しく解説した記事

呉市:同時入所の多子軽減+扶養3人以上の別枠無償化

呉市の0〜2歳児クラスの保育料は市民税所得割額の世帯合計額等により決定し、非課税世帯などは無償になる場合があります。多子軽減は、同一世帯の就学前児童が同時入所している場合、1人目は全額、2人目は半額、3人目以降は無料です。加えて、18歳未満の子を3人以上扶養する世帯には、同時入所の有無を問わず3人目以降の子が3歳になる年度末まで保育料0円になる別枠の制度もあります。ひとり親世帯等(市民税合計77,101円未満)は、1人目が標準時間月5,000円・短時間月4,900円、2人目以降は0円です。

参照:呉市「保育料等について」

福山市:第2子以降は所得制限なしで無償化済み

福山市は2024年9月から、認可保育施設の0〜2歳児クラスについて、第2子以降の保育料を所得制限・年齢制限なしで無償化しています。上の子が保育施設に通っていなくても、生計を同一にする第2子以降であれば対象になる仕組みです。認可外保育施設や預かり保育を利用する0〜3歳児(3歳になって最初の4月1日を迎えるまで)は、月額最大42,000円(満3歳児クラスの預かり保育は最大16,300円)の補助が受けられます。

参照:福山市「第2子以降の保育料無償化」

まりさん

福山市は「第2子以降は所得に関係なく無償」とシンプルですね。広島市は所得に応じた金額表があるぶん、うちの所得だといくらになるのか事前に計算しないと分かりにくそうです。

高橋先生

そのとおりです。福山市は制度自体がシンプルなぶん見通しが立てやすく、広島市は所得階層によって差が大きいぶん、自分の階層区分を先に確認しておく必要があります。呉市は「同時入所」という条件と「扶養3人以上」という条件の2つのルートがあるので、うちの場合どちらに当てはまるかを区福祉課に確認しておくと安心です。

就学援助(入学準備金)の比較

就学援助制度は、経済的に困難な世帯の入学準備費用を補助する制度です。3市とも実施していますが、金額の公開状況と支給のタイミングに差があります。

広島市・呉市は、令和8年度の新入学学用品費として小学校57,060円・中学校63,000円という同額を公式サイトに明示しており、いずれも入学前支給(前年度に審査を行い、入学式より前に支給する仕組み)を実施しています。呉市は令和8年度分の支給を令和8年3月19日に予定しています。一方、福山市の公式サイトには「新入学の際、通常必要とする学用品及び通学用品の経費」という説明はあるものの、2026年9月時点で具体的な金額表は掲載されておらず、支給は「入学前に支給を受けていない4月認定者」に限られるため、広島市・呉市のような入学前の前倒し支給は行われていません。

参照:広島市「令和8年度就学援助」、呉市「就学援助」、福山市「就学援助制度について」、広島市の入学準備助成を詳しく解説した記事

まりさん

福山市だけ金額が公式サイトに書かれていないのは意外でした。入学準備で一番お金がかかる時期に前倒しで受け取れないのも、家計としては差を感じるポイントですね。

高橋先生

はい、ランドセルや制服の支払いは入学前にまとまって発生するので、前倒しで受け取れるかどうかは資金繰りに直結します。福山市に住んでいて就学援助の対象になりそうな世帯は、金額や支給時期を福山市教育委員会の学事担当に直接確認しておくことをおすすめします。

出産にまつわる給付金の比較

出産・子育て応援給付金は、令和7年(2025年)4月から「妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)」として国の法定事業に位置づけられ、全国の市区町村が同じ枠組みで実施しています。広島市は妊娠後に妊婦1人当たり5万円(1回目)、出産予定日の8週間前以降に胎児1人当たり5万円(2回目)を支給し、単胎なら合計10万円、双子なら15万円、三つ子なら20万円です。福山市も「妊娠・子育て支援金」という名称で、妊娠支援金5万円と子育て支援金(胎児1人につき)5万円を支給しており、単胎なら広島市と同じ合計10万円です。

呉市も公式サイトの「妊娠・出産」ページから「妊婦のための支援給付金」への案内リンクを設けており、この国の法定事業を実施していることは確認できました。ただし具体的な支給額を掲載したページには本記事の執筆時点でアクセスできず、正確な金額・申請時期は呉市こども家庭センターえがお(電話:0823-25-3597)への確認が必要です。国が金額の骨格を定める法定事業のため広島市・福山市と同水準になっている可能性は高いですが、申請前に必ず公式情報でご確認ください。

参照:呉市「赤ちゃんが生まれたら」、広島市の出産祝い金(妊婦支援給付金)を詳しく解説した記事、福山市「妊娠・子育て支援金について」

家庭の状況別:どの市が向いているか

まりさん

比較してみると、それぞれに特徴がありますね。家庭の状況別に整理してもらえますか?

高橋先生

はい、まとめますね。

広島市が向いている家庭

  • 2027年1月からの医療費助成拡大(高校生年代まで・所得制限撤廃)まで見据えて長く住む予定の世帯
  • 多子軽減の対象になりやすい、きょうだいが多い世帯(第2子半額・第3子以降無料、所得制限なし)
  • 就学援助の入学準備金の金額をあらかじめ公式サイトで確認したい世帯

呉市が向いている家庭

  • 子どもの年齢が高校生年代に近く、医療費助成の対象年齢の広さを重視する世帯(0歳〜18歳到達後最初の3月末まで対象、所得制限なし)
  • 18歳未満の子を3人以上扶養しており、同時入所の有無にかかわらず3人目以降の保育料無償化を受けたい世帯
  • 入学準備金を入学前に前倒しで受け取りたい世帯

福山市が向いている家庭

  • 第2子以降が0〜2歳で、所得制限なくシンプルに保育料無償化の恩恵を受けたい世帯
  • 医療費助成の所得制限がないことを重視する世帯
  • 就学援助の金額・支給時期を事前に窓口で確認したうえで、じっくり準備を進めたい世帯

よくある質問

Q. 3市の間で引っ越した場合、こども医療証の手続きは必要ですか?

A. はい、市をまたいで転居する場合は転出先の市で新たに申請が必要です。転入後できるだけ早く、住所地の区役所・市役所の窓口で手続きしてください。

Q. 広島市の所得制限は、今から引っ越しても2027年1月の撤廃後は関係なくなりますか?

A. 2026年8月時点の公式情報では、2027年1月診療分から所得制限が撤廃される予定です。それまでは所得制限額以上の世帯は対象外となるため、引っ越し直後から2026年内は現行の基準が適用される点に注意してください。

Q. 福山市の就学援助の金額は本当にどこにも書いていないのですか?

A. 本記事の執筆時点(2026年9月)で確認した福山市公式サイトの「就学援助制度について」ページには、具体的な金額表は掲載されていませんでした。広島市・呉市のような定額表記がないため、対象になりそうな世帯は福山市教育委員会の学事担当に直接金額を確認することをおすすめします。

まとめ:引っ越し先を選ぶときに見るべきポイント

広島市・呉市・福山市を比較すると、医療費助成の所得制限の有無、保育料の多子軽減の仕組み、就学援助の金額公開状況と支給タイミングに明確な違いがあります。

  • 医療費助成の所得制限がすでにないのは呉市・福山市。広島市は2027年1月に撤廃予定
  • 医療費助成の対象年齢が最も広いのは呉市(0歳〜18歳到達後最初の3月末まで)
  • 0〜2歳の保育料無償化がシンプルに進んでいるのは福山市(第2子以降は所得制限なし)
  • 就学援助の入学準備金を金額つきで公開し、入学前支給も行っているのは広島市・呉市
  • 出産にまつわる給付金(妊婦支援給付金)は広島市・福山市で単胎10万円を確認、呉市も同じ国の法定事業を実施

高橋先生

子育て支援制度は居住地選びの一つの材料ですが、保育施設の空き状況や通勤のしやすさ、住宅費なども含めて総合的に判断することが大切です。今回紹介した数字は2026年8月〜9月時点のものなので、実際に引っ越しを決める前に必ず各市の公式サイトや窓口で最新情報を確認してください。

広島市の各制度をさらに詳しく知りたい方は、広島市の子ども医療費助成を解説した記事、広島市の入学準備助成(就学援助)を解説した記事、広島市の保育料・多子世帯減免を解説した記事、広島市の出産祝い金(妊婦支援給付金)を解説した記事もあわせてご覧ください。

他の自治体の子育て支援制度と比べてみたい方は、自治体別の補助金・助成金一覧ページもあわせてご確認ください。

自治体の補助金で当座の負担を抑えつつ、将来の学費は計画的に準備することも大切です。学資保険は本当に必要か整理した記事や、小学生向け通信教育の費用相場を比較した記事も参考にしてみてください。

おすすめの記事