
夫の転勤で、横浜市・川崎市・相模原市のどこに住むか迷っています。神奈川県内でも自治体によって子育て支援の中身がけっこう違うと聞いたんですが、具体的にどう違うんでしょうか。
同じ神奈川県内の政令指定都市でも、医療費助成の自己負担や保育料の多子軽減、入学準備金の金額は市ごとに独自の制度設計をしています。特に横浜市は2026年に入ってから制度拡充が続いていて、他の2市と差がついている項目もあります。今日は横浜市・川崎市・相模原市の3市を、医療費・保育料・入学準備金・出産給付金の4項目で比較していきますね。
3市の子育て支援比較一覧表
いずれも2026年7月時点の各市公式情報をもとにしています。制度は改正されることがあるため、申請前に必ず各市の公式サイトでご確認ください。
| 比較項目 | 横浜市 | 川崎市 | 相模原市 |
|---|---|---|---|
| 医療費助成 対象年齢 | 0歳〜18歳年度末(2026年6月拡大済み) | 0歳〜中学3年生(2026年9月から高校生世代に拡大予定) | 0歳〜18歳年度末 |
| 通院 自己負担 | 全年齢:自己負担なし | 0〜小3:なし 小4〜中3:1回500円(非課税世帯は無料) ※2026年9月から自己負担廃止予定 |
0〜小6:なし 中学生・高校生世代(課税世帯):1回500円 ※2027年4月から無償化予定 |
| 入院 自己負担 | 全年齢:自己負担なし | 全年齢:自己負担なし | 全年齢:自己負担なし |
| 医療費助成 所得制限 | なし | なし | 中学生以下:なし 高校生世代:所得制限あり(2027年度に撤廃予定) |
| 保育料 多子軽減(第2子) | 半額(0〜2歳)/3〜5歳は無償化 原則は同時利用のきょうだいのみ。所得割額57,700円以下等で拡充 |
半額。所得制限なし、きょうだいの年齢・利用施設を問わない | 半額(未就学のきょうだいが2人以上) 年収360万円未満相当世帯は兄姉の年齢制限なし |
| 保育料 多子軽減(第3子以降) | 無料(0〜2歳)/副食費免除(3〜5歳) | 無料 | 無料 |
| 入学準備金(小学校) | 64,300円 | 57,060円 | 64,300円 |
| 入学準備金(中学校) | 51,000円(うち購入券30,000円) | 63,000円 | 81,000円 |
| 出産・子育て応援給付金(国基準分) | 5万円+5万円=10万円 | 5万円+5万円=10万円 | 5万円+5万円=10万円 |
| 市独自の出産費用上乗せ | 妊婦健診費用助成5万円+出産費用助成金最大9万円(合計最大24万円) | 2026年7月時点で確認できる市独自の上乗せなし | 2026年7月時点で確認できる市独自の上乗せなし |
※各数値は2026年7月時点の公式発表をもとにしています。川崎市の入学準備金は令和7年度実績です(令和8年度分は認定通知で案内予定)。制度は変更される場合があるため、申請前に必ず各市の公式サイトでご確認ください。
子ども医療費助成の比較
うちの子は喘息気味で通院が多いので、自己負担の有無は大きいです。3市で今すぐ差が出るのはどこですか。
2026年7月時点では横浜市が一歩リードしています。横浜市は2026年6月の制度拡大で、0歳から18歳年度末まで通院・入院とも自己負担なしになりました。川崎市・相模原市は小学生までは無料ですが、中学生以上は通院1回500円の自己負担が残っています。ただしどちらも自己負担廃止に向けたスケジュールが公表されているので、時期による差と考えてください。
横浜市の医療費助成
横浜市の「小児医療費助成制度」は0歳から18歳年度末までを対象に、所得制限なしで保険診療の自己負担額を通院・入院とも全額助成します。2026年6月の制度拡大で対象年齢が中学卒業後から18歳年度末まで広がり、神奈川県内の政令市では横浜市が初めての実施でした。
川崎市の医療費助成
川崎市は現時点(2026年7月)で0歳から中学3年生までが対象で、所得制限はありません。0歳〜小学3年生は自己負担なし、小学4年生〜中学3年生は通院1回500円の自己負担があります(非課税世帯は無料)。入院・調剤は全学年で自己負担なしです。2026年9月から対象年齢を高校生世代まで拡大し、通院の自己負担500円も廃止する方針を公式発表しています。
参照:川崎市「令和8年9月から小児医療費助成制度の助成対象を高校生年代まで拡大し、一部負担金を廃止します」
相模原市の医療費助成
相模原市は0歳から18歳年度末(高校生世代)までを対象年齢としています。小学生以下は自己負担なし、中学生・高校生世代は課税世帯のみ通院1回500円の自己負担があります(非課税世帯は無料)。入院は全年齢で自己負担なしです。所得制限は中学生以下にはありませんが、高校生世代には所得制限が設けられています。2027年4月から18歳まで完全無償化し、所得制限や一部負担金を撤廃する条例改正を目指していると報じられています。
中学生・高校生がいる家庭だと、今のタイミングでは横浜市が有利ということですね。ただ半年〜1年待てば川崎市・相模原市も追いつくかもしれないんですね。
そのとおりです。制度は今まさに動いている最中なので、「今の差」と「今後の予定」の両方を見て判断することが大切です。転居のタイミングと制度改正のタイミングが近い場合は、各市の窓口に最新の予定を確認しておくと安心です。
保育料の多子軽減の比較
うちは1歳と小3のきょうだいです。上の子が保育園を卒業していても第2子として数えてもらえるかどうかが気になります。
そこがまさに3市で差がつくポイントです。川崎市は令和6年4月から、きょうだいの年齢や利用施設を問わず所得制限なしで第2子半額・第3子以降無料にしています。相模原市は未就学のきょうだいが2人以上いることが原則条件ですが、年収360万円未満相当の世帯は兄姉の年齢制限がなくなります。横浜市は原則として同時に保育施設を利用しているきょうだいのみが対象で、市民税所得割額の合計が57,700円以下(ひとり親世帯等は77,100円以下)の世帯だけ、施設を利用していない小学生以上のきょうだいも数えられる拡充ルールになります。
横浜市の多子軽減
横浜市は0〜2歳児クラスで第2子半額・第3子以降無料、3〜5歳児クラスは無償化されており第3子以降は副食費も免除されます。原則の数え方は同時に保育施設を利用しているきょうだい全員が対象で、上の子が小学生以上だと原則ルールでは対象外になります。ただし世帯の市民税所得割額の合計が一般世帯57,700円以下、ひとり親世帯等77,100円以下の場合は、施設を利用していない小学生以上のきょうだいも年齢順に数えられる拡充ルールが適用されます。
川崎市の多子軽減
川崎市は令和6年4月から制度を拡充し、保護者と生計を同じくする子どもが2人以上いれば、きょうだいの年齢・利用施設・所得にかかわらず第2子を半額、第3子以降を無料としています。上の子が小学生・中学生・成人でも、生計が同一であることを証明できれば第2子・第3子のカウントに含められる点が横浜市との大きな違いです。
参照:川崎市「保育所等の利用における多子世帯支援の拡充について」
相模原市の多子軽減
相模原市は就学前の範囲に子どもが2人以上いる場合、最年長の子を第1子として数え、第2子を半額、第3子以降を無償とします。年収約360万円未満相当の世帯(C1〜D3階層)では、生計を同一にする兄姉の年齢制限がなくなり、小学生以上の兄姉も第1子等としてカウントできる仕組みです。所得水準によって「きょうだいの数え方」が変わる点は横浜市の拡充ルールと考え方が似ています。
うちのように上の子が小3だと、川崎市なら所得に関係なく第2子扱いになるけれど、横浜市や相模原市だと所得次第ということですね。共働きで所得が高めの世帯だと、川崎市のほうが軽減を受けやすそうです。
はい。所得制限なしできょうだいの年齢を問わない川崎市の制度は、共働きで年収が高めの世帯には使いやすい設計です。逆に横浜市・相模原市は所得が一定水準以下の世帯に手厚い設計といえます。ご自身の世帯の状況に当てはめて確認してみてください。
入学準備金(就学援助)の比較
就学援助制度は経済的な理由で就学が難しい世帯に、入学準備費用などを援助する制度です。3市とも実施していますが、支給額に差があります。
横浜市は小学校入学時に64,300円、中学校入学時に51,000円(うち標準服等購入券30,000円・現金21,000円)を支給します(参照:横浜市「就学援助制度」)。川崎市は小学校57,060円、中学校63,000円で、3市の中では小学校・中学校とも最も低い水準です(令和7年度実績。令和8年度分は認定通知で案内予定。参照:川崎市「令和8年度川崎市就学援助制度のお知らせ」)。相模原市は小学校64,300円・中学校81,000円で、中学校の金額は3市の中で最も高くなっています(参照:相模原市「就学奨励金(就学援助)の交付内容」)。
中学校の入学準備金だけ見ると、相模原市が81,000円で川崎市の63,000円よりだいぶ高いんですね。制服代の違いなんでしょうか。
各市が独自に基準額を設定しているため、地域の制服・体操着・通学かばんの標準的な価格や物価改定の反映度合いによって差が出ます。横浜市のように現金と購入券に分けている市もあれば、川崎市・相模原市のように全額現金で支給する市もあり、支給の形式も異なります。入学準備金は就学援助全体の一項目なので、学用品費や修学旅行費なども含めて総額で比較してください。
出産・子育て応援給付金の比較
国の「出産・子育て応援交付金」に基づく給付は3市とも共通で、妊娠届出後に5万円、出産後に5万円(子ども1人あたり合計10万円)が支給されます。横浜市はこれに加えて市独自の「妊婦健康診査費用助成金」(妊婦1人あたり5万円)と「出産費用助成金」(子1人あたり最大9万円、付加給付がある場合は差し引き)を上乗せしており、単胎・国保加入・付加給付なしの場合で合計最大24万円を受け取れます。川崎市・相模原市は、2026年7月時点で調査した範囲では横浜市のような市独自の上乗せ制度は確認できませんでした。
出産の給付金だけ見ると、横浜市がかなり手厚いんですね。10万円と24万円だと差が大きいです。
そうですね。国の制度は全国共通ですが、市独自の上乗せ制度があるかどうかで最終的な受給額に差が出ます。川崎市・相模原市にも今後、独自の上乗せ制度が新設される可能性はあるので、妊娠が分かった時点でお住まいの市の最新情報を確認するのが確実です。
家族の状況別:どの市が向いているか
ここまでの内容を、家族構成別に整理してもらえますか。
家族の状況によって「どこが今の制度で得か」は変わります。整理しますね。
横浜市が向いている家庭
- 中学生・高校生の子がいて通院の自己負担をゼロにしたい世帯(全年齢で自己負担なし)
- これから出産を控えていて、市独自の出産費用助成金も活用したい世帯
- 中学入学時に制服代を購入券でカバーしたい世帯
川崎市が向いている家庭
- 上の子が小学生以上でも、所得にかかわらず下の子の保育料を第2子扱いで軽減したい共働き世帯
- きょうだいの年齢差が大きい世帯(多子軽減の年齢制限がない)
- 入学準備金の金額よりも保育料軽減の使いやすさを優先したい世帯
相模原市が向いている家庭
- 中学校入学を控えていて、入学準備金の金額を重視する世帯(3市で最高額の81,000円)
- 年収360万円未満相当で、保育料の多子軽減を広く受けたい世帯
- 2027年4月の医療費完全無償化を見据えて長く住む予定の世帯
よくある質問
Q. 3市の間で転居した場合、医療証の手続きは必要ですか?
はい、転出先の市で新たに申請が必要です。転入後できるだけ早く各市の担当窓口(横浜市は区役所保険年金課、川崎市・相模原市も同様の窓口)で手続きしてください。
Q. 川崎市・相模原市の医療費無償化はいつから確実に始まりますか?
川崎市は2026年9月から高校生世代まで拡大・自己負担廃止を公式発表しています。相模原市は2027年4月からの18歳までの完全無償化・所得制限撤廃を目指す方針が報じられていますが、条例改正等の手続きが前提のため、実施時期の最新情報は各市公式サイトで確認してください。
Q. 保育料の多子軽減で、川崎市が最も有利ですか?
所得が高めの共働き世帯や、上の子が小学生以上で保育施設を利用していない場合は、川崎市の「年齢・所得を問わない」制度が使いやすい傾向があります。ただし世帯の状況次第では横浜市・相模原市の拡充ルールでも同様の軽減を受けられるため、一概には言い切れません。お住まいの窓口で世帯の状況に当てはめて確認してください。
Q. 出産・子育て応援給付金は転居のタイミングでどうなりますか?
妊娠中に転居した場合、転居前の市ですでに1回目の給付を受けていれば、転居後の市で重複して受け取ることはできません。妊娠・出産のタイミングと転居のタイミングが近い場合は、転居前・転居後の両方の市のこども家庭支援課に相談してください。
まとめ:制度の差は「今」と「今後の予定」の両方で見る
横浜市・川崎市・相模原市の3市を比較すると、医療費助成・保育料の多子軽減・入学準備金・出産給付金のいずれにも制度設計の違いがあります。
- 医療費の自己負担がないのは2026年7月時点で横浜市のみ。川崎市は2026年9月、相模原市は2027年4月に自己負担廃止を予定
- 保育料の多子軽減で所得制限・年齢制限が最も緩やかなのは川崎市
- 入学準備金は小学校がほぼ横並び(横浜市・相模原市64,300円、川崎市57,060円)、中学校は相模原市81,000円が最も高い
- 出産関連の給付金は横浜市が市独自の上乗せで最大24万円、川崎市・相模原市は国基準の10万円が確認できる範囲での金額
子育て支援の制度は居住地選びの一つの材料になりますが、保育施設の空き状況や通勤の利便性、住宅費なども合わせて考える必要があります。川崎市・相模原市は医療費助成の拡充が予定されている段階なので、転居を急がない場合は改正のタイミングを待つ選択肢もあります。最新情報は必ず公式サイトや窓口で確認してください。
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