
来年の春、うちの子が小学校に入学するんですが、ランドセルに制服っぽい標準服、体操服、上履き...って考え始めたら、正直いくらかかるのか怖くなってきました。神戸市には何か助成してくれる制度ってないんでしょうか。
神戸市には「就学援助制度」という制度があって、条件を満たせば小学校の入学準備費として57,060円が支給されます(2025年10月時点の金額)。「うちは対象外だろう」と思い込んでいる方が多いんですが、実際に計算してみると意外と対象に入るご家庭もあります。今日はこの制度の仕組みと申請の流れを、順番に整理していきますね。
神戸市の就学援助制度は、経済的な理由で就学が難しい家庭に対して、学用品費・入学準備費・給食費・修学旅行費などを援助する制度です。生活保護を受けていなくても、所得が基準額以下であれば対象になります。まずは制度の全体像から見ていきましょう。
※本記事の情報は2026年8月時点で確認できる神戸市公式情報に基づいています。金額・所得基準は年度ごとに改定されるため、最新情報は神戸市公式サイト(就学援助のご案内)で必ずご確認ください。
神戸市の就学援助制度とは
就学援助制度は、学校教育法にもとづき市区町村が実施する制度です。神戸市では、市内に住所があり小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程に在学する児童生徒(または次年度に小学校・義務教育学校に入学予定の就学予定者)の保護者を対象に、学用品費や新入学時の準備費用などを援助しています。
就学援助って、生活保護世帯だけの制度だと思っていました。うちは生活保護は受けていないので関係ないですよね。
そこはよくある誤解なんです。神戸市の就学援助は、次のいずれかに該当すれば対象になります。生活保護受給中の「要保護者」に限らず、児童扶養手当を受給している方、家族全員の総所得が世帯人数別の基準額以下の方、失業などで今年の所得が基準額を下回る見込みの方も含まれます。給与所得・年金所得がある方は、税制改正の影響を踏まえて所得から最大10万円が控除された上で判定されるので、額面の年収だけで「うちは無理」と決めつけないほうがいいですよ。
所得基準額の目安(世帯人数別)
神戸市が公表している所得基準額(総所得金額の目安)は次の通りです。
| 世帯人数 | 所得基準額 |
|---|---|
| 2人世帯 | 176万1千円以下 |
| 3人世帯 | 223万4千円以下 |
| 4人世帯 | 266万4千円以下 |
| 5人世帯 | 304万8千円以下 |
| 6人世帯 | 361万7千円以下 |
| 7人世帯 | 412万3千円以下 |
| 8人世帯以上 | 7人世帯の額に、1人増えるごとに45万5千円を加算 |
※この所得基準額は「総所得金額」で判定されるため、給与収入(額面の年収)そのものではありません。給与所得控除や社会保険料控除などが引かれた後の金額で判定されるので、額面の年収がこの数字をやや上回っていても対象になる場合があります。
入学準備で受け取れる金額はいくら?
この記事のテーマである「入学準備費」の正式名称は「新入学児童生徒学用品費」です。神戸市では、申請するタイミングによって2つのルートがあります。
1. 入学前支給(入学前健診のタイミングで申請するルート)
入学前の年度のうちに申請し、入学前の3月に前もって受け取れる仕組みです。2026年4月に小学校へ入学する子の場合、金額は次の通りでした(2025年10月時点)。
| 区分 | 金額 | 支給時期 |
|---|---|---|
| 小学校入学前 | 57,060円 | 入学前年度の3月上旬 |
| 中学校入学前 | 63,000円 | 入学前年度の3月上旬 |
※中学校入学前支給は「2026年3月時点ですでに就学援助を受給している小学6年生」が対象です。小学校入学前支給とは条件が異なり、中学入学を機に新規に申請しても中学校入学前支給の対象にはなりません(新規家庭は入学後の通常ルートでの申請となります)。詳細は神戸市公式サイト(入学前支給のご案内)で確認してください。
2. 通常の就学援助として入学後に申請するルート
入学前支給のタイミングを逃した場合でも、入学後に通常の就学援助として申請すれば、新入学児童生徒学用品費を受け取れます。神戸市が公表している通常ルートの金額は、小学校1年生が64,300円、中学校1年生が81,000円です。
あれ、入学前支給は57,060円なのに、入学後に申請すると64,300円?金額が違うんですね。だったら入学後に申請したほうが得ですか?
金額だけ見るとそう感じますよね。この差は、単価が年度ごとに改定される中で、入学前支給は前年度時点で確定している単価をもとに支給されるために生じています。ただ、入学前支給の一番の価値は「金額」ではなく「タイミング」です。ランドセルや制服は入学前の1〜2月に買いそろえる家庭がほとんどですから、支給が入学後になってしまうと、購入資金として間に合わないんですね。金額差はありますが、多くのご家庭は入学準備に間に合う入学前支給を選んでいます。
入学準備費以外にも援助される項目がある
就学援助は入学準備費だけの制度ではありません。神戸市では、入学後も学用品費・修学旅行費・給食費など複数の費用が継続して援助されます。
| 援助項目 | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 学用品費・通学用品費(1年生) | 11,630円 | 22,730円 |
| 学用品費・通学用品費(2年生以降) | 13,900円 | 25,000円 |
| 新入学児童生徒学用品費 | 64,300円(1年生のみ) | 81,000円(1年生のみ) |
| 体操服費・水泳着費 | 5,350円(1年生のみ) | 5,970円(1年生のみ) |
| 卒業アルバム代等 | 11,000円(6年生のみ) | 10,000円(3年生のみ) |
| 校外活動費 | 年間2,100円 | 年間3,310円 |
| 修学旅行費 | 22,690円まで | 59,000円まで |
| 通学費 | 実費相当 | 実費相当 |
| 自転車通学費 | ― | 4,730円まで |
| 給食費 | ― | 現物支給 |
| 医療費 | 対象疾病のみ医療券発行 | 対象疾病のみ医療券発行 |
※金額は神戸市公式サイトの記載内容(2026年8月確認時点)にもとづきます。年度により改定される場合があります。
申請の時期と方法
神戸市の就学援助には、大きく分けて「入学前支給」と「在学中の定期申請・随時申請」の3つのタイミングがあります。
これから小学校に入学する子(入学前支給)
2026年4月に小学校へ入学した子の場合は、入学前健康診断の際に神戸市立の小学校・義務教育学校を通じて申請書と郵送用の封筒が配布され、締切は2026年1月8日(消印有効)、支給は2026年3月上旬という流れでした。来年の春(2027年4月)に入学予定のお子さんについても、同じように入学前健診の案内にあわせて学校から申請書が配布される見込みです。
うちの子は来年4月入学なので、まだ申請書は届いていません。いつ頃案内が来るか、今のうちに分かりますか。
前年の実績で見ると、入学前健康診断の時期に合わせて秋から冬にかけて案内があり、申請の締切は翌年1月上旬でした。2027年4月入学のお子さんについても、同じような時期に神戸市立小学校から案内が来る可能性が高いですが、金額や締切の正確な日程は年度が近づかないと公表されません。就学時健康診断のお知らせが来たら、その中に就学援助の申請書が同封されていないか必ず確認してください。私立・国立・県立小学校に進む予定の方は学校からの配布がないため、神戸市のホームページから申請書をダウンロードする必要があります。
すでに小学校・中学校に在学中の子
在学中の子については、定期申請と随時申請の2つの窓口があります。
- 定期申請:2026年4月1日〜5月19日(消印有効)に申請すると4月1日にさかのぼって認定
- 随時申請:2026年5月20日〜2027年2月5日(消印有効)に申請すると申請月からの認定
申請方法は、電子申請(e-KOBE スマート申請システム)または郵送です。神戸市立校に在学中の場合は学校配布の申請書を使い、私立・国立・県立校に在学中の場合は神戸市ホームページから申請書をダウンロードして提出します。
就学援助と神戸市の他の子育て支援の組み合わせ
就学援助は義務教育段階の学用品費を対象にした制度です。神戸市には医療費の助成制度も別途あるので、あわせて確認しておくと家計の見通しが立てやすくなります。神戸市の子ども医療費助成では、通院・入院にかかる自己負担が一定額まで軽減されます。
また、就学援助はあくまで義務教育段階(小・中学校)が対象で、高校・大学の費用は対象外です。所得基準を満たさず就学援助の対象にならない家庭でも、将来の教育資金づくりとして計画的な準備をしておく価値はあります。学資保険は本当に必要? 2026年、入らないとどうなるか正直に解説も参考にしてください。
こんな家庭に向いている・向いていない
正直、うちが対象になるのかまだピンと来ていません。どんな家庭だったら申請を検討したほうがいいんでしょうか。
「絶対に申請したほうがいい」と言い切れるのは、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭と、生活保護を受給しているご家庭です。この場合はほぼ確実に対象になります。次に、4人世帯で総所得が266万4千円前後、あるいはそれをやや超える程度の家庭も申請してみる価値があります。所得から控除が引かれた後の金額で判定されるため、額面の年収だけで諦めるのはもったいないです。一方、共働きで世帯の総所得が400万円を大きく超えているご家庭は、対象になる可能性は低いと考えられます。ただし最終的な判定は審査次第なので、迷った場合は申請してみるか、学校か神戸市教育委員会に相談してみてください。
よくある質問
Q. 神戸市在住なら誰でも申請できますか。
神戸市に住所があり、神戸市立・私立・国立・県立を問わず小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程に在学(または次年度に小学校・義務教育学校へ入学予定)であれば申請できます。ただし所得基準などの条件を満たさないと認定されません。
Q. 転出予定がある場合はどうなりますか。
入学前支給については、対象年度の3月末までに神戸市外へ転出予定の場合は対象外とされています。転居の予定がある場合は事前に学校または神戸市教育委員会に確認してください。
Q. 特別支援学級・特別支援学校に通う子も対象ですか。
神戸市には「特別支援教育就学援助」という別制度があり、対象や金額が異なります。特別支援学級・特別支援学校に在籍する場合は、通常の就学援助とあわせて確認することをおすすめします。
Q. 申請すれば必ず認定されますか。
いいえ、所得等の審査を経て認定されます。基準を満たさない場合は不認定となることもあります。認定・不認定にかかわらず結果は書面等で通知されます。
Q. 認定は毎年更新が必要ですか。
はい。就学援助の認定は年度ごとの審査です。継続して援助を受けたい場合は、毎年度あらためて申請する必要があります。
まとめ:入学準備費は申請しないと受け取れない
神戸市の就学援助制度では、条件を満たせば小学校入学前に57,060円、中学校入学前に63,000円の入学準備費(新入学児童生徒学用品費の入学前支給、2025年10月時点の金額)を受け取れます。ただし中学校入学前支給は、2026年3月時点ですでに就学援助を受給している小学6年生が対象で、中学入学を機に新規に申請しても受け取れない点に注意してください。入学後に通常の就学援助として申請した場合の金額は、小学校1年生64,300円・中学校1年生81,000円です。所得基準は総所得金額で判定され、4人世帯で266万4千円以下が目安ですが、各種控除が引かれた後の金額で判定されるため、額面年収だけで対象外と判断しないほうがいいでしょう。
これから小学校に入学するお子さんがいる家庭は、就学時健康診断の案内が届いたら、申請書が同封されていないか必ず確認してください。私立・国立・県立への入学予定で学校からの配布がない場合は、神戸市のホームページから申請書をダウンロードするか、電子申請(e-KOBE)を利用できます。
詳細な金額や締切日は年度によって変わるため、最新情報は神戸市公式サイト(就学援助のご案内)で確認し、不明な点は神戸市教育委員会事務局 学校経営支援課(神戸ハーバーランドセンタービル ハーバーセンター4階)へ問い合わせてください。