
保育園に子どもを預けている、またはこれから預ける予定の名古屋市在住の方にとって、保育料は毎月の家計に直結する項目です。名古屋市では0〜2歳児クラスの保育料が世帯の市民税所得割課税額によって16段階(C1〜C16)に分かれる一方、多子世帯には所得水準によって仕組みが異なる軽減があり、ひとり親世帯・在宅障害者(児)のいる世帯にはさらに手厚い軽減措置もあります。この記事は2026年8月時点の名古屋市公式資料「令和7年度利用者負担額(保育料)基準月額表」を基に、階層区分ごとの金額と軽減の条件を整理します。
下の子が来年から保育園に入る予定なんですが、保育料がどれくらいになるのか見当がつかなくて…。上にきょうだいがいる家庭は安くなるとは聞いたんですが、名古屋市の場合どういう仕組みなのか、正直よく分かっていません。
名古屋市は0〜2歳児クラスの保育料を市民税所得割課税額で16段階に分けていて、実は多子世帯の軽減も世帯の所得水準によって「数え方」が変わります。今日は階層区分ごとの金額、多子世帯の軽減の仕組み、ひとり親世帯等のさらなる軽減の3つを順番に確認していきましょう。
保育料の基本の仕組み:3〜5歳は無料、0〜2歳は所得で決まる
名古屋市の保育料は、子どもの年齢で大きく2つに分かれます。3〜5歳児クラス(1号認定は満3歳児クラスから)は、幼稚園・保育所・認定こども園のいずれを利用しても保育料が無料です。一方、0〜2歳児クラス(2号・3号認定)は、生活保護世帯等と市民税非課税世帯を除き、世帯の市民税所得割課税額に応じた保育料がかかります。この記事では主に0〜2歳児クラスの保育料と軽減制度を解説します。
3歳になれば無料になるんですね。うちの下の子はまだ0歳なので、しばらくは保育料表を見て金額を確認する必要があるということですね。
そのとおりです。保育料が無料になったあとも、3〜5歳児クラスでは給食のおかず・おやつ代にあたる「副食費」が別途かかる点は覚えておいてください。こちらは記事の後半で説明します。まずは0〜2歳児クラスの保育料表を見ていきましょう。
0〜2歳児クラスの保育料はいくら?階層区分ごとの一覧表
名古屋市の令和7年度基準月額表(令和7年4月〜令和8年3月適用分)では、世帯の市民税所得割課税額を基準に階層A・Bと、C1階層からC16階層まで分かれています。第1子の月額は次の通りです。
| 階層区分 | 基準(市民税所得割課税額) | 保育標準時間・月額 | 保育短時間・月額 |
|---|---|---|---|
| A階層 | 生活保護世帯等 | 0円 | 0円 |
| B階層 | 市民税非課税世帯 | 0円 | 0円 |
| C1 | 市民税均等割のみ課税世帯 | 5,700円 | 5,700円 |
| C2 | 10,000円未満 | 6,400円 | 6,300円 |
| C3 | 10,000円〜40,800円未満 | 7,500円 | 7,400円 |
| C4 | 40,800円〜43,800円未満 | 11,200円 | 11,100円 |
| C5 | 43,800円〜55,200円未満 | 13,900円 | 13,700円 |
| C6 | 55,200円〜67,000円未満 | 17,500円 | 17,300円 |
| C7 | 67,000円〜88,800円未満 | 22,100円 | 21,800円 |
| C8 | 88,800円〜110,000円未満 | 25,800円 | 25,400円 |
| C9 | 110,000円〜131,600円未満 | 29,400円 | 29,000円 |
| C10 | 131,600円〜180,000円未満 | 34,900円 | 34,400円 |
| C11 | 180,000円〜236,800円未満 | 42,700円 | 42,000円 |
| C12 | 236,800円〜281,000円未満 | 50,300円 | 49,500円 |
| C13 | 281,000円〜351,500円未満 | 58,300円 | 57,400円 |
| C14 | 351,500円〜411,800円未満 | 63,400円 | 62,400円 |
| C15 | 411,800円〜518,000円未満 | 63,900円 | 62,900円 |
| C16 | 518,000円以上 | 64,000円 | 63,000円 |
※名古屋市公式サイト掲載の「令和7年度利用者負担額(保育料)基準月額表(2・3号認定子ども(3歳未満児))」(2026年8月時点確認)に基づく第1子の金額です。市民税は4月分〜8月分は前年度(令和6年度)、9月分〜3月分は当年度(令和7年度)の市民税額で算定され、所得の状況に応じて9月に見直しが行われます。第2子以降の数え方は次の章で説明します。
うちは上の子が小2で、下の子が第2子になります。第2子は表の金額より安くなるんでしょうか?
はい、安くなります。ただし名古屋市の場合、世帯の所得水準によって「2人目・3人目のカウントの仕方」が2種類あるので、そこが北九州市や横浜市とは異なる名古屋市の特徴です。次の章で詳しく説明しますね。
多子世帯の軽減、所得水準で仕組みが違う点に注意
名古屋市の0〜2歳児クラスの多子軽減には、所得水準によって「①多子世帯軽減制度」と「②同時利用軽減制度」の2つの仕組みがあります。適用条件が異なるため、自分の世帯がどちらに当てはまるか確認しておきましょう。
①多子世帯軽減制度(C1階層からC5階層、およびC6階層のうち所得割額57,700円未満の世帯が対象)では、お子さんの年齢を問わず、1人目は表の金額のまま、2人目は表の金額の2分の1、3人目以降は無料になります。上の子が保育園に在籍しているかどうかや、小学生・中学生であるかどうかは関係ありません。
②同時利用軽減制度(C6階層のうち所得割額57,700円以上の世帯、およびC7階層からC16階層が対象)は条件が異なり、認可保育所・幼稚園・認定こども園・家庭的保育事業等・児童発達支援など対象施設を同時に利用している就学前のお子さんが2人以上いる場合に限り、1人目は表の金額、2人目は2分の1、就学前のお子さんが3人以上利用している場合は3人目以降が無料になります。つまりこの所得帯では、上の子がすでに小学生になっている場合、多子軽減の対象外になる可能性があります。
お子さんは年齢が高い順に1人目、2人目と数えます。同居していないが生計を同じくするお子さん(寮で暮らす高校生など)がいる場合など、軽減が正しく反映されていないと思われるときは、お住まいの区の区役所民生子ども課に確認してください。
うちの階層だと年齢を問わず2人目扱いになりそうですが、所得が高い世帯だと上の子が小学生になった時点で対象外になることもあるということですね。
そのとおりです。C6階層は所得割額57,700円のラインで扱いが分かれる境目の階層なので、通知書に記載されている所得割額を一度確認しておくと、自分がどちらの制度の対象か判断しやすくなります。
世帯に3人以上お子さんがいる場合の「第3子以降無料制度」
前章の多子軽減とは別に、名古屋市には所得階層を問わず適用される「世帯第3子以降無料制度」もあります。18歳に達した以後の最初の3月31日を迎えるまでのお子さんが3人以上いる世帯で、その第3子以降が保育所・認定こども園・家庭的保育事業等を利用している場合、3歳に達した以後の最初の3月31日までは利用者負担額が無料になります。C7〜C16のような高い所得階層でも、就学前のお子さんが同時利用していなくても適用される点が、②同時利用軽減制度と異なります。
ひとり親世帯・在宅障害者(児)のいる世帯はさらに軽減される
ひとり親世帯(配偶者のいない女子・男子で現に子どもを扶養している世帯)、または在宅障害者(児)(身体障害者手帳・愛護手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方、特別児童扶養手当の支給対象児、障害基礎年金の受給者のいずれかに該当)のいる世帯は、次の通り軽減されます。
| 階層区分 | 1人目 | 2人目以降 |
|---|---|---|
| C1階層からC3階層 | 基準額の半額 | 0円 |
| C4階層からC7階層(所得割額77,101円未満) | 3,800円 | 0円 |
※上記に該当しない階層(所得割額77,101円以上等)は、通常の階層区分の金額が適用されます。1人目・2人目以降の判定方法は、前章の「①多子世帯軽減制度」の数え方(年齢が高い順、上の子の在籍状況を問わない)に準じます。
ひとり親家庭の友人がいるんですが、この制度を知らないと結構損をしてしまいそうですね。
そうですね。ひとり親世帯等の軽減は通常の階層表とは別枠の基準額になっているので、該当する可能性がある方は保育料決定通知書の内容を一度見直してみることをおすすめします。不明な点があれば、お住まいの区の区役所民生子ども課に確認するのが確実です。
3〜5歳児クラスの副食費が免除になるケース
3〜5歳児クラスのお子さんは保育料自体が無料ですが、給食のおかず・おやつ代にあたる「副食費」は施設ごとに金額が異なる実費負担が原則です。名古屋市の公式情報によると、次のいずれかに該当するお子さんは副食費が免除されます。
- 1号認定子ども(幼稚園・認定こども園の教育部分):生活保護世帯、市民税所得割課税額77,101円未満の世帯、里親、小学3年生以下の範囲で数えた第3子以降の子ども
- 2号認定子ども(3歳以上の保育部分):生活保護世帯、市民税所得割課税額57,700円未満の世帯、里親、小学校就学前の範囲で数えた第3子以降の子ども
ここで注意したいのは、副食費免除の「第3子以降」のカウント方法は、0〜2歳児クラスの多子軽減(年齢が高い順に数える、在籍状況を問わない)とは範囲が違うという点です。1号は小学3年生以下、2号は小学校就学前の範囲内で3人目にあたるかどうかで判定されるため、0〜2歳児クラスで多子軽減の対象だった世帯でも、進級後は副食費免除の要件に当てはまらず実費負担に戻る場合があります。免除対象の場合は、決定通知書の備考欄に記載されます。
申請方法・相談窓口
0〜2歳児クラスの保育料の階層区分は、原則として申請不要で、世帯の市民税額を基に区役所が自動的に決定します。ただし、同居していないが生計を同じくするお子さんがいる場合など軽減が正しく反映されていないと思われるときや、結婚・離婚などの世帯の異動、税の修正申告による税額の変更があった場合は、お住まいの区の区役所民生子ども課への届け出が必要です。生計主宰者の失業(自己都合を除く)、事業の倒産、長期病気療養、災害被災などで支払いが困難になった場合も、一定の基準を満たせば減額されるため、事前に区役所民生子ども課へ相談してください。
自動で決まるなら、まずは保育料決定通知書を確認して、うちの階層と軽減の適用状況を照らし合わせてみます。
それが一番確実な進め方です。もし通知書の内容と実際の家庭状況が違っていると感じたら、早めにお住まいの区の区役所民生子ども課へ相談してください。
よくある質問
Q. 上の子が小学生や中学生の場合でも、下の子は第2子として軽減されますか?
A. 世帯の階層区分によって異なります。C1〜C5階層及びC6階層のうち所得割額57,700円未満の世帯(①多子世帯軽減制度)なら、上の子の年齢や在籍状況を問わず下の子は第2子として軽減されます。C6階層のうち57,700円以上の世帯やC7〜C16階層(②同時利用軽減制度)は、対象施設を同時利用している就学前のお子さんが2人以上いることが条件のため、上の子がすでに小学生の場合は対象外になる可能性があります。
Q. 3歳以上の子どもがいる世帯は、そもそも多子軽減を気にする必要がありますか?
A. 3〜5歳児クラスの保育料自体はすべての世帯で無料のため、保育料に関する多子軽減を気にする必要はありません。気にする必要があるのは副食費の免除要件で、こちらは0〜2歳児クラスの多子軽減とは別の「1号は小学3年生以下、2号は小学校就学前の範囲で数えた第3子以降」という数え方になります。
Q. ひとり親世帯かどうかは、どのように判定されますか?
A. 記事内で紹介したひとり親世帯等向けの軽減の対象となるかどうかは、世帯の状況と市民税所得割課税額を基に区役所が判定します。具体的な該非の判断は、お住まいの区の区役所民生子ども課に直接相談することをおすすめします。
Q. 保育料はいつの市民税額で決まりますか?
A. 名古屋市の公式資料によると、4月分〜8月分の保育料は前年度の市民税額、9月分〜3月分の保育料は当年度の市民税額を基に算定されます。年度の途中で市民税額が変更になった場合は、区役所民生子ども課への届け出により保育料が変更されることがあります。
Q. この記事の金額は今後も変わりませんか?
A. 保育料の階層区分や金額、副食費免除の基準額は年度ごとに見直される可能性があります。この記事は2026年8月時点で確認した名古屋市公式サイトの「令和7年度利用者負担額(保育料)基準月額表」に基づくため、実際の金額は必ず名古屋市公式サイトまたはお住まいの区役所民生子ども課でご確認ください。
まとめ:所得水準によって多子軽減の数え方が違う点を確認しておく
うちの階層なら年齢を問わず軽減の対象になると分かって、だいぶ気持ちが軽くなりました。通知書を確認して、もし違う金額になっていたら区役所に聞いてみます。
それが確実です。保育料が軽減される分、家計に少し余裕が生まれる家庭もあると思います。目先の出費に使い切るのではなく、入学準備や進学時にまとまってかかる教育費の積み立てに回すという選択肢も考えておくと安心です。名古屋市の子ども医療費助成や入学準備の助成金についてまとめた記事も参考にしてみてください。
名古屋市の保育料は、3〜5歳児クラスが無料、0〜2歳児クラスは市民税所得割課税額に応じた16段階(A・B階層、C1〜C16階層)で決まります。多子世帯の軽減は所得水準によって仕組みが2種類あり、C1〜C5階層及びC6階層の一部(57,700円未満)は上の子の年齢を問わず対象になる一方、C6階層の一部(57,700円以上)からC16階層は就学前のお子さんの同時利用が条件です。18歳以下のお子さんが3人以上いる世帯は、所得階層を問わず第3子以降の保育料が無料になる制度もあります。ひとり親世帯・在宅障害者(児)のいる世帯は、所得割課税額77,101円未満であれば第1子の保育料もさらに軽減されます。制度の詳細・最新の金額は名古屋市教育・保育情報サイト「ここなご」0〜2歳児クラスの利用者負担額についておよび名古屋市公式サイト「利用者負担額(保育料)」のページで必ずご確認ください。
名古屋市の子育て支援制度をあわせて知りたい方は名古屋市の子ども医療費助成についてまとめた記事や、名古屋市の就学援助制度(入学準備の助成金)についてまとめた記事もご覧ください。教育資金を長期的に準備したい方は学資保険は本当に必要なのか整理した記事や、小学生向け通信教育の費用相場を比較した記事も参考にしてみてください。