
夫の転勤で大阪府内での引っ越しを検討中なんですが、大阪市・堺市・東大阪市のどこに住むかで迷っています。子育て支援の制度って、隣の市でもけっこう違うものなんでしょうか。
はい、同じ大阪府内でも医療費助成の自己負担額や、0〜2歳児の保育料無償化がどこまで進んでいるかは市によって差があります。この記事では大阪市・堺市・東大阪市の3市を、医療費助成・保育料・就学援助・出産給付金の4項目で比較していきますね。
3市の子育て支援比較一覧表
いずれも2026年8月時点の各市公式サイトの情報をもとにしています。制度は改定される可能性があるため、引っ越しを検討する際は必ず各市の最新情報でご確認ください。
| 比較項目 | 大阪市 | 堺市 | 東大阪市 |
|---|---|---|---|
| 医療費助成 対象年齢 | 18歳に達した日以後の最初の3月31日まで | 18歳に達した日以後の最初の3月31日まで | 18歳到達後最初の3月末日まで |
| 医療費助成 所得制限 | なし(令和6年4月撤廃) | なし | なし |
| 通院 自己負担 | 1医療機関ごと1日500円まで(月2日限度) 月合計上限2,500円 |
1医療機関につき1日500円まで(月2日限度) 月2,500円超は自動返還・薬局は自己負担なし |
同一医療機関1日500円まで(月2日限度、3日目以降無料) 院外処方は自己負担なし |
| 入院 自己負担 | 通院と同一ルール(1日500円・月2日限度) | 通院と同一ルール | 1日最大500円 |
| 0〜2歳児 保育料無償化 | 第2子以降は2024年9月から無償(所得制限なし) 第1子含め全員無償化は2026年9月開始予定 |
非課税世帯は国基準で無償 市独自に2023年度から第2子以降は所得制限なく無償化 |
2歳児クラスが2026年4月から所得制限なしで無償化 1歳児は2027年4月開始予定、0歳児は未定 |
| 入学準備金(小学校・令和8年度) | 64,300円 | 57,060円 | 57,060円 |
| 入学準備金(中学校・令和8年度) | 81,000円 | 63,000円 | 63,000円 |
| 出産・子育て応援給付金 | 妊婦認定後5万円+出生後子ども1人5万円 | 同左(3市共通・国の法定事業) | 同左(3市共通・国の法定事業) |
※各数値は2026年8月時点の公式発表をもとにしています。申請前に必ず居住予定の市の公式サイトでご確認ください。
子ども医療費助成の比較
対象年齢はどこも18歳までなんですね。自己負担額の仕組みも似ているように見えますが、細かい違いはありますか?
対象年齢と1日あたりの自己負担額(500円・月2日限度)はほぼ共通です。差が出るのは月の上限の付き方と、超過分の受け取り方です。大阪市は複数の医療機関にかかると医療機関ごとに月2,500円まで負担が発生しますが、堺市は超過分が自動で返還される仕組みになっています。
大阪市の医療費助成
大阪市は0歳から18歳(18歳に達した日以後の最初の3月31日)までが対象で、令和6年4月に所得制限を撤廃しています。自己負担は1医療機関ごとに入院・通院各1日500円以内(月2日を限度)で、複数の医療機関を受診した場合はそれぞれ最大500円/日、ひと月の自己負担合計は最大2,500円です。同一月に上限を超えた分は申請により払い戻しを受けられます。
堺市の医療費助成
堺市は0歳から18歳(18歳に達した日以後の最初の3月31日)までが対象で、所得制限はありません。自己負担は1医療機関につき1日500円まで(月2日を限度)で、調剤薬局での自己負担はありません。1人につき月2,500円を超えた自己負担分は、大阪市のような申請手続きを経ずに自動で返還される点が特徴です。
東大阪市の医療費助成
東大阪市は18歳到達後最初の3月末日までが対象で、所得制限はありません。同一医療機関につき1日最大500円を月2日まで負担し、3日目以降は自己負担がなくなります。入院も1日最大500円で、院外処方(調剤薬局)の負担はありません。
超過分の払い戻しが自動か申請制かで、手間が変わりますね。うちは複数の科にかかることが多いので、そこは地味に気になります。
そうですね。金額差はわずかでも、申請の手間があるかどうかは家計管理のしやすさに直結します。詳しい取り扱いは各市の窓口でも確認できるので、引っ越しが決まったら早めに問い合わせておくと安心です。
0〜2歳児の保育料無償化を比較
3〜5歳の保育料は国の制度で無償と聞いていますが、0〜2歳はまだ課税世帯だと有料ですよね。ここは3市で差が大きいと聞きました。
はい、国の制度では0〜2歳児クラスは住民税非課税世帯のみ無償です。ここに市独自の上乗せをどこまでしているかで、3市の進捗が大きく異なります。
大阪市:第1子含め2026年9月に全員無償化予定
大阪市は令和6年(2024年)9月から第2子以降の0〜2歳児の保育料を所得制限なしで無償化しています。さらに令和8年(2026年)9月からは、第1子分も含めたすべての子どもを対象に、所得制限のない無償化を実施する予定です。対象は認可保育施設と企業主導型保育事業で、在宅で子育てをする世帯への支援もあわせて検討されています。
堺市:第2子以降は所得制限なしで無償化済み
堺市は国の基準どおり、認可保育施設・認定こども園では住民税非課税世帯のみが無償対象です。ただし市独自の施策として令和5年度(2023年度)から、所得に関係なく第2子以降の子どもを無償化しています。認可外施設を利用する非課税世帯は、月額42,000円まで利用料が給付されます。大阪市のように第1子を含めた全世帯無償化の実施時期は、2026年8月時点で公式には明記されていません。
東大阪市:2歳児クラスから段階的に無償化
東大阪市は令和8年(2026年)4月から、2歳児クラスを所得制限なしで無償化しました。1歳児クラスは令和9年(2027年)4月から無償化を開始する予定で、0歳児は2026年8月時点で開始時期が示されていません。認可外保育施設等を利用する場合は「保育の必要性」の認定を受けた2歳児クラスの子どもが対象で、月額42,000円が上限です。
うちは一人っ子予定で、0〜2歳のうちに保育園に預けるかもしれません。第1子から無償になるのは大阪市だけなんですね。
2026年8月時点ではそのとおりです。第1子で0〜2歳のうちに保育料負担を軽くしたい世帯は大阪市が有利ですし、第2子以降を考えている世帯なら堺市も同水準の支援が受けられます。東大阪市は2歳児クラスからの無償化が始まったばかりなので、0〜1歳児の間はまだ通常料金がかかる点は把握しておいてください。
就学援助(入学準備金)の比較
就学援助制度は、経済的に困難な世帯の入学準備費用を補助する制度です。3市とも実施していますが、令和8年度の入学準備金の金額には差があります。
大阪市は令和8年度に入学準備金を増額し、小学校64,300円・中学校81,000円としています(令和7年度実績は小学校57,060円・中学校63,000円)。堺市・東大阪市は令和8年度も小学校57,060円・中学校63,000円で、大阪市より小学校で7,240円、中学校で18,000円低い水準です。
参照:大阪市の就学援助制度を解説した記事、堺市「就学援助(入学準備金)早期支給」、東大阪市「入学準備費(就学援助)」
就学援助は「経済的に困難な世帯」が対象で、所得基準額は市ごとに異なります。対象になるかどうかは、居住予定の市の教育委員会に世帯構成と所得を伝えて確認するのが確実です。
出産・子育て応援給付金(妊婦支援給付金)
出産・子育て応援給付金は、令和7年(2025年)4月から「妊婦のための支援給付」として国の法定事業に位置づけられ、3市とも同じ枠組みで実施しています。妊婦認定後に一律5万円、出生後に子ども1人につき5万円が支給され、単胎なら合計10万円、双子なら合計15万円です。この項目は3市の間でほぼ差がありません。
参照:大阪市「妊婦のための支援給付事業」、堺市「妊婦のための支援給付」、東大阪市「妊婦支援給付金事業」
家庭の状況別:どの市が向いているか
比較してみると、それぞれに特徴がありますね。家庭の状況別に整理してもらえますか?
はい、まとめますね。
大阪市が向いている家庭
- 0〜2歳の第1子を保育施設に預ける予定がある世帯(2026年9月から所得制限なしで無償化予定)
- 就学援助の対象で、入学準備金をより多く受け取りたい世帯(小学校64,300円・中学校81,000円)
- 医療機関の受診回数が多く、超過分の申請手続きに手間がかかっても問題ない世帯
堺市が向いている家庭
- 第2子以降が0〜2歳で、所得制限なく保育料の負担を抑えたい世帯
- 医療費の月上限超過分を自動で受け取りたい世帯(申請不要で自動返還)
- 調剤薬局での自己負担をなくしたい世帯
東大阪市が向いている家庭
- 子どもが2歳児クラスに入る時期を迎える世帯(2026年4月から所得制限なしで無償化)
- 院外処方の自己負担をなくしたい世帯
- 今後1歳児クラスの無償化拡大(2027年4月予定)を見据えて長く住む予定の世帯
よくある質問
Q. 3市の間で引っ越した場合、子ども医療証の手続きは必要ですか?
A. はい、市をまたいで転居する場合は転出先の市で新たに申請が必要です。転入後できるだけ早く、住所地の窓口で手続きしてください。
Q. 大阪市の0〜2歳児保育料無償化(第1子含む)は、他の市に住んでいても受けられますか?
A. いいえ、住民登録している市の制度が適用されます。大阪市の第1子含む無償化(2026年9月開始予定)を受けるには、その時点で大阪市に住民登録している必要があります。
Q. 就学援助の入学準備金は、引っ越し先の市の金額が適用されますか?
A. 申請時点で住民登録している市の制度・金額が適用されるのが基本です。年度途中の転居では申請時期や必要書類が変わることがあるため、転居予定の時期が決まったら早めに転出元・転入先両方の教育委員会に確認してください。
Q. 出産・子育て応援給付金は3市とも同時期に受け取れますか?
A. 妊婦認定後5万円・出生後子ども1人5万円という金額と枠組みは国の法定事業として3市共通です。申請窓口や具体的な手続きの流れは市によって異なるため、妊娠届出時に居住市の窓口で確認するのが確実です。
まとめ:引っ越し先を選ぶときに見るべきポイント
大阪市・堺市・東大阪市を比較すると、対象年齢や自己負担の基本的な仕組みは似ていても、0〜2歳児の保育料無償化の進捗と就学援助の入学準備金の額に明確な差があります。
- 0〜2歳児(第1子含む)の保育料無償化が最も進んでいるのは大阪市(2026年9月開始予定)
- 医療費の月上限超過分を自動で受け取れるのは堺市
- 入学準備金の額が最も高いのは大阪市(小学校64,300円・中学校81,000円)
- 出産・子育て応援給付金(妊婦支援給付金)は3市とも同水準
子育て支援制度は居住地選びの一つの材料ですが、保育施設の空き状況や通勤のしやすさ、住宅費なども含めて総合的に判断することが大切です。今回紹介した数字は2026年8月時点のものなので、実際に引っ越しを決める前に必ず各市の公式サイトや窓口で最新情報を確認してください。
大阪市の各制度をさらに詳しく知りたい方は、大阪市の子ども医療費助成を解説した記事、大阪市の保育料・多子世帯減免を解説した記事、大阪市の出産祝い金(妊婦支援給付金)を解説した記事もあわせてご覧ください。
自治体の補助金で当座の負担を抑えつつ、将来の学費は計画的に準備することも大切です。学資保険は本当に必要か整理した記事や、小学生向け通信教育の費用相場を比較した記事も参考にしてみてください。