
夫の転勤で、北海道内での引っ越しを検討しているんです。候補は札幌市・旭川市・函館市なんですが、子育て支援の制度って自治体によってだいぶ違うんでしょうか。医療費とか保育料とか、子どもが2人いるので気になっていて。
同じ道内でも、医療費助成の所得制限の有無や、保育料の多子軽減の条件はかなり違います。特に札幌市は所得制限がある一方、旭川市と函館市は所得制限なしで医療費が無料になるなど、政令指定都市かどうかだけでは判断できない部分があります。この記事では札幌市・旭川市・函館市の3市を比較していきますね。
3市の子育て支援比較一覧表
いずれも2026年8月時点の各市公式サイトの情報をもとにしています。制度は年度ごとに見直される場合があるため、申請前に各市の公式サイトでご確認ください。
| 比較項目 | 札幌市 | 旭川市 | 函館市 |
|---|---|---|---|
| 医療費助成 対象年齢 | 18歳まで(高校生世代) | 18歳まで(高校生世代) | 18歳まで(高校卒業まで) |
| 医療費助成 所得制限 | あり(扶養0人で622.0万円が目安) | なし | なし(令和5年4月から撤廃) |
| 通院・入院の自己負担 | 医科初診580円・歯科初診510円のみ(再診・調剤等は無料) | 全額助成(自己負担なし) | 全額助成(自己負担なし) |
| 0〜2歳 保育料(第2子以降) | 無償(所得・年齢制限なし) | 階層に応じて軽減(第3子以降は無償、一部階層は年齢制限あり) | 無償(所得・年齢制限なし) |
| ひとり親家庭等の保育料軽減 | 市民税所得割額77,101円未満で月額4,400円 | 一定階層は月額一律2,700円 | 公式サイトに保育料独自軽減の明記なし |
| 入学準備金(小学校・就学援助) | 64,300円 | 62,030円 | 57,060円 |
| 入学準備金(中学校・就学援助) | 81,000円 | 78,730円 | 63,000円 |
| 新入学児童への独自給付 | 特になし(就学援助のみ) | 特になし(就学援助のみ) | 小学校入学祝金10万円(所得制限なし、就学援助とは別枠) |
| 出産・子育て応援給付金 | 妊婦支援給付金 合計10万円(単胎) | 妊婦のための支援給付 合計10万円 | 出産応援給付金+子育て応援給付金 合計10万円 |
※各数値は2026年8月時点の公式発表をもとにしています。制度は変更される場合があるため、申請前に必ず各市の公式サイトでご確認ください。
子ども医療費助成の比較
対象年齢はどこも18歳までなんですね。だったらどの市を選んでも同じですか?
対象年齢は同じでも、所得制限の有無で結果が大きく変わります。旭川市と函館市は所得制限がなく医療費が完全に無料ですが、札幌市には所得制限があり、対象になっても医科の初診時などに自己負担が発生します。世帯の所得によっては、この差がそのまま医療費負担の差になります。
札幌市の医療費助成
札幌市は令和7年4月診療分から、通院・入院とも対象年齢を高校生世代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで拡大しました。ただし主たる生計維持者の所得が限度額未満であることが条件で、所得制限があります。限度額は扶養親族の人数によって変わり、扶養0人で622.0万円、1人で660.0万円が目安です。対象になった場合の自己負担は、医科の初診580円・歯科の初診510円のみで、再診・調剤薬局・柔道整復・鍼灸は0円です。
旭川市の医療費助成
旭川市は0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(高校生世代まで)を対象としています。令和5年8月診療分から中学生までの医療費を全額助成し、令和7年8月診療分からは高校生年代についても世帯の課税状況にかかわらず自己負担分を全額助成する形に拡大されました。所得制限はありません。
参照:旭川市「子ども医療費助成」、旭川市「高校生年代のお子さんの医療費を無償化しました」
函館市の医療費助成
函館市は満18歳に達する日の前日以後の最初の3月31日まで(高校卒業まで)を対象としています。以前は所得制限がありましたが、令和5年4月からこの所得制限がなくなり、受給者証を持つすべての子どもの医療費自己負担が通院・入院とも無料になりました。
うちは共働きなので、札幌市だと所得制限に引っかかるかもしれません。そうなると旭川市や函館市の方が医療費の負担は軽くなりそうですね。
所得が限度額を超える世帯にとっては、その通りです。ただし札幌市でも所得制限内であれば、初診時のみの定額負担で済み、再診が続く月でも自己負担が増えない仕組みになっています。所得が限度額付近かどうかで、実質的な差の大きさが変わります。
保育料の軽減制度の比較
うちは上の子が小学生、下の子が0歳なんですが、保育料の多子軽減はどこの市でも同じ条件ですか?
そこは3市で差が出やすいところです。札幌市と函館市は、上の子の年齢や世帯の所得を問わず第2子以降の保育料を無償にしていますが、旭川市は階層によって条件が分かれており、就学前の子どもが2人以上いることを条件とする階層も残っています。まりさんのように上の子が小学生の場合、旭川市だと軽減の対象になるかどうかを個別に確認したほうがいいです。
札幌市の保育料軽減
札幌市は令和6年4月から、生計を一にする子どもを年長順に数えて2人目以降であれば、上の子の年齢や在籍状況、世帯の所得にかかわらず、認可保育所・認定こども園(保育所部分)・地域型保育事業所の保育料を一律無償にしています。ひとり親家庭等・障がい者(児)同居世帯は、市民税所得割額77,101円未満であれば、第1子の保育料も月額4,400円まで軽減されます。
旭川市の保育料軽減
旭川市は市民税の課税状況で決まる階層(C1〜C13等)ごとに保育料が設定されており、多子軽減の条件が階層によって異なります。比較的所得が低いC1〜C9-1階層は、生計を一にする子ども(年齢を問わない)が2人以上いれば第2子は軽減額、第3子以降は0円です。一方、C9-2以上の階層では、小学校就学前の子どもが2人以上在籍している場合に限って軽減が適用される年齢制限があります。ひとり親世帯等でC1〜C4-1階層に該当する場合は、保育料が月額一律2,700円になる軽減もあります。
参照:旭川市「保育料について」
函館市の保育料軽減
函館市は令和6年4月から独自施策として、第2子以降の子どもの保育料算定に設けていた所得制限ときょうだいの年齢制限を撤廃し、すべての世帯の第2子以降の保育料を無償化しました。第1子は引き続き市民税所得割額に応じた階層で決まります。なお、ひとり親世帯を対象にした保育料そのものの独自軽減は、公式サイト上には明記が見当たりませんでした。該当しそうな場合は窓口で個別に確認してください。
参照:函館市「保育所・認定こども園・幼稚園の利用者負担額(保育料)」
札幌市と函館市は年齢を問わず第2子無償なんですね。旭川市だけ少し条件が複雑なので、うちの場合は事前に問い合わせた方がよさそうです。
その通りです。特に世帯の所得階層が高めの家庭ほど、旭川市では年齢制限のある階層に該当する可能性があるので、転居前に旭川市の子育て支援課へ具体的な階層と条件を確認しておくと安心です。
入学準備金・就学援助の比較
就学援助制度は、経済的に困難な世帯の入学準備費用などを補助する制度です。3市ともに実施していますが、支給額と申請の枠組みに違いがあります。
札幌市は就学援助の「新入学児童生徒学用品費」として小学校64,300円・中学校81,000円を支給します(参照:札幌市「就学援助制度について」)。旭川市は小学校62,030円・中学校78,730円です(参照:旭川市「就学援助制度について」)。函館市は小学校57,060円・中学校63,000円で、3市の中では最も低い水準です(参照:函館市「就学援助制度」。金額掲載ページは2026年8月確認時点でURLが変更され直接アクセスできなかったため、複数の独立情報源で一致を確認済みです。最新額は函館市教育委員会学校教育部保健給食課へご確認ください)。
函館市は就学援助の金額が一番低いんですね。ちょっと入学準備には心もとない気もします。
就学援助だけを見るとそうですが、函館市には所得制限のない「小学校入学祝金」という独自の給付があります。次で説明しますね。
函館市独自の「小学校入学祝金」
函館市は就学援助とは別枠で、新入学をお祝いする趣旨の「小学校入学祝金」を実施しています。基準日時点で函館市に住民登録があり、対象の生年月日に該当する新1年生の保護者であれば、所得制限なく対象児童1人あたり10万円が支給されます。児童手当の支給対象者など一定の条件に該当する場合は申請不要で、それ以外は申請が必要です。就学援助のように世帯の所得基準を満たす必要がなく、対象年齢に該当するすべての新小学1年生が受け取れる点が特徴です。
就学援助の金額だけで3市を比べると函館市が見劣りしますが、所得を問わず一律10万円もらえる入学祝金を含めると、小学校入学時にまとまったお金を受け取れるという点ではむしろ手厚いとも言えます。逆に中学校入学時は函館市独自の給付がなく就学援助の金額も低めなので、入学のタイミングによって有利・不利が変わる点は押さえておいてください。
出産・子育て応援給付金の比較
出産・子育て応援給付金は、国の子ども・子育て支援法に基づく「妊婦のための支援給付」を土台にした制度で、3市とも呼び方は異なりますが、妊娠届出時と出産後の2回に分けて合計10万円(単胎の場合)を給付する枠組みは共通です。
札幌市は「妊婦支援給付金」として、1回目5万円(妊婦給付認定後)・2回目5万円×胎児数(出産予定日の8週間前以降)を支給します(参照:札幌市子育てサイト)。旭川市も同じ枠組みで、1回目5万円・2回目は胎児数に応じて1人5万円を「妊婦のための支援給付」として支給しています(参照:旭川市「妊婦のための支援給付」)。函館市は「出産応援給付金」(妊婦1人5万円)と「子育て応援給付金」(子ども1人5万円)という2つの名称に分けて実施しています(参照:函館市「妊婦支援給付金給付事業」)。いずれの市も所得制限はありません。
家族の状況別:どの市が向いているか
比べてみると、それぞれに特徴がありますね。どんな家庭にどの市が向いているか、まとめてもらえますか?
家族の状況によって「どこが得か」は変わります。整理しますね。
札幌市が向いている家庭
- 世帯所得が医療費助成の限度額(扶養0人で622万円が目安)の範囲内で、初診時のみの定額負担で済ませたい世帯
- 上の子の年齢を問わず第2子以降の保育料をすぐに無償にしたい世帯
- 就学援助の入学準備金を3市の中で最も高い水準で受け取りたい世帯
旭川市が向いている家庭
- 所得にかかわらず子どもの医療費を完全無料にしたい世帯(所得制限なし)
- 比較的所得の低い階層に該当し、生計を一にする子ども(年齢問わず)が2人以上いる世帯
- ひとり親等で保育料を月額2,700円まで抑えたい世帯(対象階層に該当する場合)
函館市が向いている家庭
- 所得にかかわらず子どもの医療費を完全無料にしたい世帯(所得制限なし)
- 上の子の年齢や所得を問わず第2子以降の保育料を無償にしたい世帯
- 来年子どもが小学校に入学予定で、所得制限のない入学祝金10万円をまとまって受け取りたい世帯
よくある質問
Q. 転居すると子ども医療証の手続きは必要ですか?
はい、市をまたいで転居する場合は転出先の市で新たに申請が必要です。特に旭川市・函館市から所得制限のある札幌市へ転居する場合、対象になるかどうか事前に確認しておくと安心です。
Q. 函館市の小学校入学祝金は、就学援助と重複して受け取れますか?
小学校入学祝金と就学援助はいずれも函館市の制度ですが、両方を併給できるかどうかを明記した公式案内は確認できませんでした。所管部署(入学祝金:子ども未来部子ども企画課、就学援助:教育委員会学校教育部保健給食課)がそれぞれ異なるため、重複受給の可否は事前に窓口へご確認ください。
Q. 旭川市の保育料の多子軽減は、上の子が小学生でも対象になりますか?
階層によって異なります。比較的所得の低いC1〜C9-1階層は上の子の年齢を問わず対象になりますが、C9-2以上の階層は小学校就学前の子どもが2人以上在籍していることが条件になるため、上の子が小学生の場合は対象外になる可能性があります。世帯の階層区分は旭川市の担当窓口で確認してください。
Q. 出産・子育て応援給付金は3市とも同額ですか?
単胎の場合、3市とも妊娠期5万円・出産後5万円の合計10万円が基本です。呼び方(妊婦支援給付金/妊婦のための支援給付/出産応援給付金+子育て応援給付金)は異なりますが、金額の枠組みはほぼ共通しています。
まとめ:居住市選びで子育て費用は変わる
札幌市・旭川市・函館市の3市を比較すると、医療費助成の所得制限の有無、保育料の多子軽減の条件、就学援助の金額に明確な差があります。
- 医療費助成は旭川市・函館市が所得制限なしで完全無料、札幌市は所得制限があり対象内でも初診時のみ自己負担
- 0〜2歳の第2子以降の保育料は札幌市・函館市が所得・年齢を問わず無償、旭川市は階層によって条件が異なる
- 就学援助の入学準備金は札幌市が最も高く(小64,300円・中81,000円)、函館市が最も低い(小57,060円・中63,000円)
- 函館市には就学援助とは別枠で所得制限のない小学校入学祝金10万円がある
- 出産・子育て応援給付金は3市とも合計10万円(単胎)でほぼ共通
子育て支援は居住地選びの一要素ですが、保育施設の空き状況・学校環境・通勤利便性なども総合的に判断することが大切です。各市の最新制度は公式サイトや窓口で確認してから決めてください。
医療費助成の所得制限や保育料の年齢条件を知らないまま決めるところでした。夫とも相談して、各市の窓口に問い合わせてみます。
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札幌市の各制度をさらに詳しく知りたい方は、札幌市の子ども医療費助成についてまとめた記事、札幌市の就学援助制度についてまとめた記事、札幌市の保育料の多子世帯・ひとり親減免制度についてまとめた記事、札幌市の出産祝い金についてまとめた記事もあわせてご覧ください。