
保育園に子どもを預けている、またはこれから預ける予定の福岡市在住の方にとって、保育料は毎月の家計に直結する大きな項目です。福岡市では0〜2歳児クラスの保育料が世帯の市町村民税額によって細かく決まる一方、令和5年4月からは所得制限や同時入所の条件を設けずに第2子以降の保育料を無償化する独自の軽減策があり、ひとり親世帯・在宅障がい児(者)のいる世帯にはさらに手厚い軽減もあります。この記事は福岡市公式サイト「利用者負担額(保育料・副食費)」ページ(2026年8月時点で確認、ページ自体の更新日は2025年3月19日)と、同ページに掲載の「令和7年度保育料表」(PDF)を基に、階層区分ごとの金額と軽減条件を整理します。
来年、下の子が1歳になったタイミングで保育園に預けようと思っているんですが、保育料っていくらぐらいかかるものなんでしょうか。上の子のときは幼稚園だったので、保育料の仕組み自体がよく分かっていなくて…。第2子だと安くなるとも聞いたんですが、本当にそうなのかも気になっています。
福岡市の保育料は、お子さんの年齢と世帯の市町村民税額で決まる仕組みです。特に福岡市は令和5年4月から、きょうだいの年齢や人数の制限なしに第2子以降の保育料を無償化する独自の制度を始めていて、これが他の自治体と比べても分かりにくい点になっています。今日は0〜2歳児クラスの保育料表、多子軽減の数え方、ひとり親世帯等への軽減の3つを順番に確認していきましょう。
保育料の基本の仕組み:3〜5歳は無料、0〜2歳は市町村民税額で決まる
福岡市の保育料は、子どもの年齢で大きく2つに分かれます。3歳から5歳までのお子さんは、令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化により保育料が0円です。一方、0歳から2歳までのお子さんは、父母の市町村民税額(政令指定都市のため旧税率6%を適用して算定)の合算額を基に、保育料表の階層区分に応じて決定されます。
3歳になれば無料になるんですね。うちの下の子はまだ1歳になったばかりなので、しばらくは保育料表を確認する必要があるということですね。
そのとおりです。ただし3〜5歳児クラスも副食費(給食のおかず代)は原則保護者の負担になります。一方0〜2歳児クラスは副食費が保育料に含まれているので、別途請求されることはありません。この違いは意外と見落とされやすいので覚えておいてください。まずは0〜2歳児クラスの保育料表を見ていきましょう。
0〜2歳児クラスの保育料はいくら?階層区分ごとの一覧表(通常世帯)
福岡市の令和7年度保育料表では、父母の市町村民税額を基準に階層AからD11まで15段階に分かれています。第1子(保育標準時間・保育短時間)と第2子以降の月額は次の通りです。
| 階層区分 | 基準(市町村民税額) | 第1子・保育標準時間 | 第1子・保育短時間 | 第2子以降 |
|---|---|---|---|---|
| A | 生活保護世帯等 | 0円 | 0円 | 0円 |
| B | 市町村民税非課税世帯 | 0円 | 0円 | 0円 |
| C1 | 市町村民税のうち所得割非課税世帯 | 14,200円 | 13,900円 | 0円 |
| C2 | 所得割48,600円未満 | 17,000円 | 16,700円 | 0円 |
| D1 | 48,600円〜61,000円未満 | 19,800円 | 19,400円 | 0円 |
| D2 | 61,000円〜73,000円未満 | 22,600円 | 22,200円 | 0円 |
| D3 | 73,000円〜85,000円未満 | 25,400円 | 24,900円 | 0円 |
| D4 | 85,000円〜97,000円未満 | 28,200円 | 27,700円 | 0円 |
| D5 | 97,000円〜126,000円未満 | 31,900円 | 31,300円 | 0円 |
| D6 | 126,000円〜149,000円未満 | 35,600円 | 34,900円 | 0円 |
| D7 | 149,000円〜169,000円未満 | 39,300円 | 38,600円 | 0円 |
| D8 | 169,000円〜255,000円未満 | 44,600円 | 43,800円 | 0円 |
| D9 | 255,000円〜301,000円未満 | 53,000円 | 52,000円 | 0円 |
| D10 | 301,000円〜397,000円未満 | 64,000円 | 62,900円 | 0円 |
| D11 | 397,000円以上 | 83,200円 | 81,700円 | 0円 |
※福岡市公式サイト掲載の「令和7年度保育料表」(2026年8月時点確認)に基づく数値です。市町村民税は令和6年9月〜令和7年8月分は令和6年度市町村民税額、令和7年9月〜令和8年3月分は令和7年度市町村民税額で算定されます。令和8年4月以降分の最新の保育料表については、福岡市公式サイトまたはお住まいの区の子育て支援課で必ずご確認ください。市町村民税の申告をしていないなど税額が確認できない場合、福岡市独自の多子軽減が適用されずD11階層(最高額)で仮決定される点にも注意が必要です。
第2子以降はどの階層でも0円になっているんですね。うちの上の子は幼稚園に通っている年中さんなんですが、それでも下の子は「第2子」としてカウントしてもらえるんでしょうか?
はい、そこが福岡市の制度の大事なポイントです。次の章で詳しく説明しますね。
第2子以降は無料に。福岡市独自の多子軽減の数え方
福岡市公式サイトによると、令和5年4月からの独自の負担軽減策として、第2子以降の保育料は「同時入所や所得制限などの要件を設けず」無償化されています。第何子かを決定する際は、保育施設等を同時に利用している必要はなく、きょうだいの年齢制限も設けません。生計を同一にしている児童のうち最年長者を第1子、その下の子を第2子としてカウントし、第2子以降の保育料は0円になります。つまり上の子が幼稚園や小学校に通っていても、生計を同一にしていれば下の子は第2子としてカウントされます。ただし、第1子が就学や療養等の事情で別居している場合は、第1子の住民票や生計を同一にしている旨の申立書などの提出が必要です。
上の子が幼稚園に通っていても関係ないなら、うちも下の子は無料になりそうですね。何か特別な手続きは必要なんでしょうか?
まりさんのように上の子が同居していれば、追加の申請なしで下の子の保育料が第2子として無料になるはずです。ただし市町村民税の申告をしていない場合は無償化が適用されずD11階層で仮決定されてしまうので、収入がない年でも税の申告自体は必ず行ってください。世帯状況や市町村民税額に変更があった場合も、保育施設等が所在する区の子育て支援課へ速やかに連絡が必要です。
ひとり親世帯・在宅障がい児(者)のいる世帯はさらに軽減される
要保護世帯(ひとり親家庭、在宅障がい児(者)のいる世帯等)については、市町村民税所得割額が77,101円未満の場合、第1子の保育料についても軽減措置があります。福岡市公式サイトによると、第1子の保育料は半額(C階層は1,000円減額後に半額)になり、上限は9,000円です。第2子以降は通常世帯と同じく無償です。該当する場合の第1子(保育標準時間・保育短時間)の金額は次の通りです。
| 階層区分 | 基準(市町村民税所得割額) | 第1子・保育標準時間 | 第1子・保育短時間 | 第2子以降 |
|---|---|---|---|---|
| C1 | 所得割非課税世帯 | 6,600円 | 6,500円 | 0円 |
| C2 | 48,600円未満 | 8,000円 | 7,900円 | 0円 |
| D1 | 48,600円〜61,000円未満 | 9,000円 | 9,000円 | 0円 |
| D2 | 61,000円〜73,000円未満 | 9,000円 | 9,000円 | 0円 |
| D3 | 73,000円〜77,101円未満 | 9,000円 | 9,000円 | 0円 |
※市町村民税所得割額が77,101円以上の要保護世帯の場合は、前章の通常世帯の表と同額になります。この他、疾病・失業(育児休業や自己都合退職、転職等は対象外)・災害等で世帯の経済力に著しい変動が生じ、保育料の支払いが困難と認められる場合にも減免が受けられることがあります。詳しくは保育施設等が所在する区の子育て支援課への相談が必要です。
ひとり親家庭の友人がいるんですが、この制度を知らないと結構損をしてしまいそうですね。
そうですね。通常世帯の表と要保護世帯向けの表は適用される階層区分の基準自体が違うので、該当する可能性がある方は保育料決定通知書の内容を一度見直してみることをおすすめします。不明な点があれば、お住まいの区の子育て支援課に確認するのが確実です。
3〜5歳児クラスの副食費が免除になるケース
3歳から5歳までのお子さんは保育料自体が無料ですが、給食のおかず代にあたる「副食費」は原則として保護者の負担です(0〜2歳児クラスは副食費が保育料に含まれているため別途請求はありません)。福岡市公式サイトでは、次のいずれかに該当する場合に副食費が免除されるとしています。
- 多子軽減(きょうだい児減免):保育所等の施設に3人以上が同時に入所している場合、3番目以降の児童は副食費が免除されます。
- 年収360万円未満相当世帯等の減免:市町村民税額57,700円未満相当世帯の児童は副食費が免除されます(要保護世帯は77,101円未満の場合)。
- 第3子優遇事業による減免:18歳未満(18歳に達する年度の年度末まで)のお子さんを3人以上養育する保護者を対象に、第3子以降のお子さんの副食費が免除されます。対象児童の兄・姉(18歳未満)が別居している場合は、住民票や生計を同一にしている旨の申立書などの提出が必要です。
市町村民税の申告をしていないなど所得割額が確認できない場合は、これらの副食費の減免を適用できないため、収入がない年でも税の申告が必要になる点は保育料の多子軽減と共通しています。
認可外保育施設等を利用している場合の軽減
認可保育所ではなく認可外保育施設や企業主導型保育施設などを利用している0〜2歳児クラスの第2子以降についても、福岡市独自の利用料助成(無償化)制度があります。対象は住民税課税世帯で、保護者全員が保育の必要性の事由に該当し、かつ認可保育所・認定こども園・地域型保育事業等に在園していない子どもです。認可保育所の多子軽減とは異なり、こちらは「多子世帯利用給付認定申請書」の事前申請と、利用後の領収書兼提供証明書の取得、請求書の提出による償還払いの手続きが必要です。助成上限額は施設の種類で異なるため、利用中または利用予定の施設が対象かどうかは事前に問い合わせ先へ確認しておくと安心です。
申請方法・相談窓口
0〜2歳児クラスの保育料の決定方法・減免についての相談は、保育施設等が所在する区の保健福祉センター子育て支援課が窓口です。認可外保育施設等の利用料助成に関する問い合わせはこども未来局運営支援課が窓口になります。
- 東区保健福祉センター子育て支援課:092-645-1068
- 博多区保健福祉センター子育て支援課:092-419-1080
- 中央区保健福祉センター子育て支援課:092-718-1101
- 南区保健福祉センター子育て支援課:092-559-5123
- 城南区保健福祉センター子育て支援課:092-833-4103
- 早良区保健福祉センター子育て支援課:092-833-4354
- 西区保健福祉センター子育て支援課:092-895-7065
- こども未来局運営支援課(認可外保育施設等の無償化):092-711-4114
うちの場合はまず、下の子が入園したときに届く保育料決定通知書を見て、階層区分がどこに当たるか確認してみます。
それが一番確実な進め方です。上のお子さんが同居している以上、下のお子さんの保育料はすでに第2子として無料になっているはずですが、通知書の記載内容と照らし合わせて、もし違っていたら早めに区の子育て支援課へ相談してください。
よくある質問
Q. 上の子が幼稚園や小学校に通っている場合でも、下の子は第2子として無料になりますか?
A. 0〜2歳児クラスの多子軽減は、保育施設等を同時利用している必要がなく、きょうだいの年齢制限も設けないため、上の子が幼稚園や小学校に通っていても生計を同一にしていれば下の子は第2子としてカウントされ無料になります。
Q. 3歳以上の子どもがいる世帯は、そもそも保育料の多子軽減を気にする必要がありますか?
A. 3〜5歳児クラスの保育料自体はすべての世帯で無料のため、保育料に関する多子軽減を気にする必要はありません。気にする必要があるのは副食費の免除要件で、こちらは同時入所人数や年収基準など0〜2歳児クラスとは別の条件になります。
Q. ひとり親世帯かどうかは、どのように判定されますか?
A. 記事内の要保護世帯向け軽減の対象となるかどうかは、世帯の状況(ひとり親家庭、在宅障がい児(者)のいる世帯等)と市町村民税所得割額を基に区が判定します。具体的な該非の判断は、保育施設等が所在する区の子育て支援課に直接相談することをおすすめします。
Q. この記事の金額は今後も変わりませんか?
A. 保育料の階層区分や金額、副食費免除の基準額などは年度ごとに見直される可能性があります。この記事の情報は2026年8月時点で福岡市公式サイトに掲載されている「令和7年度保育料表」に基づいているため、令和8年度以降の最新の金額は、申請前に必ず福岡市公式サイトまたはお住まいの区の子育て支援課でご確認ください。
まとめ:所得制限なしで第2子以降が無料になる福岡市独自の制度
上の子の年齢や通っている園に関係なく無料になると分かって、だいぶ気持ちが軽くなりました。まずは税の申告を忘れずにして、入園後の通知書を確認してみます。
それが確実です。保育料が軽減される分、家計に少し余裕が生まれる家庭もあると思います。その分を目先の出費に使い切るのではなく、入学準備や進学時にまとまってかかる教育費の積み立てに回すという選択肢も考えておくと安心です。福岡市の子ども医療費助成や入学準備の助成金についてまとめた記事も、あわせて家計の見通しを立てる参考にしてみてください。
福岡市の保育料は、3〜5歳児クラスが無料、0〜2歳児クラスは市町村民税額に応じた15段階(A〜D11・通常世帯)で決まります。令和5年4月からの福岡市独自の軽減策により、第2子以降の子どもは所得制限や同時入所要件なしで無料になり、ひとり親世帯・在宅障がい児(者)のいる世帯等は市町村民税所得割額77,101円未満であれば第1子の保育料もさらに軽減されます(上限9,000円)。3〜5歳児クラスの副食費免除は0〜2歳児クラスの多子軽減とは別の条件になる点に注意してください。制度の詳細・最新の金額は福岡市公式サイト「利用者負担額(保育料・副食費)」のページおよび「第2子以降の保育料無償化について」のページで必ずご確認ください。
福岡市の子育て支援制度をあわせて知りたい方は福岡市の子ども医療費助成についてまとめた記事や、福岡市の就学援助制度(入学準備の助成金)についてまとめた記事もご覧ください。保育料の軽減で浮いた分を先々の教育資金に回したい方は学資保険は本当に必要なのか整理した記事や学資保険の返戻率で比較したランキング記事も参考にしてみてください。