学資保険の仕組みはだいたい分かったんですが、いざ選ぶとなると「どこの会社にするか」で止まってしまって……。今、候補がかんぽ生命・明治安田生命・JA共済のこども共済の3つに絞れたんですが、正直どう違うのか分からないんです。
いい組み合わせを選びましたね。実はこの3つ、見た目は似ていますが「保険」と「共済」で制度上の立ち位置が違います。今日は返戻率・加入条件・保障内容を公式情報で突き合わせて、どこがどんな家庭に向いているかを整理しましょう。
かんぽ生命・明治安田生命・JA共済、実は「同じ土俵」ではない
JA共済の「こども共済」って、名前に保険じゃなくて「共済」ってついていますよね。何か違うんですか?
はい、法律上の扱いが違います。かんぽ生命と明治安田生命は保険業法に基づく生命保険会社で、金融庁の監督下にあり、万が一経営破綻しても生命保険契約者保護機構の保護対象になります。一方のJA共済は農業協同組合法に基づく共済事業で、監督官庁は農林水産省です。生命保険契約者保護機構の対象ではなく、JA共済連独自のセーフティネットで運営されています。どちらが優劣というより、「別の制度の上に立つ商品」だと理解しておくことが大切です。
もう一つの違いは「割戻金」の有無です。JA共済は事業年度の決算状況によって割戻金が発生する場合がありますが、これは保証された金額ではありません。かんぽ生命・明治安田生命の返戻率は契約時点の保険料率で確定しますが、JA共済の実際の受取額は割戻金の有無で多少変動する可能性がある、という違いも押さえておきましょう。
かんぽ生命・明治安田生命・JA共済 比較一覧表
以下は2026年10月時点の各社公式サイト情報をもとに作成した比較表です。返戻率は加入時の年齢・性別・払込方法・受取コースによって変わるため、あくまで目安として見てください。
| 項目 | かんぽ生命 はじめのかんぽ |
明治安田生命 つみたて学資 |
JA共済 こども共済 |
|---|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 生命保険(保険業法) 保護機構の対象 |
生命保険(保険業法) 保護機構の対象 |
共済(農業協同組合法) 保護機構の対象外 |
| 返戻率の目安 | 99.6〜102.0%程度 (2026年5月改定後。契約者30歳では101.8〜102.0%、50歳男性は99.6%で元本割れ) |
最大129.2% (一括払込・契約者25歳男性の条件。月払いは116〜121%程度) |
公式非公開 (第三者参考値:学資応援隊100%台前半〜105%程度) |
| 子どもの加入年齢 | 0〜12歳 (コースにより0〜3歳までの場合あり) |
出生予定日140日前から (0歳加入が基本) |
0〜12歳 (出産予定日140日前から加入可) |
| 契約者の加入年齢 | 18〜65歳 (免除なし型は制限なし) |
18歳以上 (上限は市場金利情勢等で変動) |
18〜75歳 |
| 受取タイミング | 大学入学時一括/小中高+大学入学時/大学入学時+在学中、から選択 | 18〜21歳の4年間、毎年教育資金を受取 | 学資応援隊:18〜21歳+22歳満期で計5回/にじ・えがお:3・5・11・14・17歳で祝金 |
| 契約者死亡時の保障 | 基本プランは以降の保険料免除、保障継続 | 以降の保険料免除、保障継続 | 以降の共済掛金免除、学資金・満期共済金は継続 |
| 医療特約など | 災害保障・医療特約・先進医療保障を付加可 | 特約なし(貯蓄特化型) | にじ・えがおは保障色が強め(えがおは割増支払特則付き) |
| 相談窓口 | 全国の郵便局 | 営業担当者との個別相談 | 全国のJA窓口 |
かんぽ生命「はじめのかんぽ」の特徴・詳細
保険料・返戻率
2026年5月2日に保険料改定があり、以前より条件が改善されています。契約者30歳男性・基準保険金額500万円の場合、返戻率は改定前98.5%から改定後101.8%に上昇し、30歳女性では102.0%です。一方で50歳男性は改定後も99.6%で元本割れのままで、契約者の年齢が上がるほど不利になる点は変わっていません。これらはhoken-teacher.jp等の第三者記事で紹介されている改定後の算出例で、かんぽ生命公式サイト本体には返戻率の数値そのものは掲載されていない点に注意してください。保険料の契約例としては、基準保険金額200万円・18歳満期の場合、契約者が男性で月額9,100円、女性で月額9,080円が目安になります(※2026年10月時点のかんぽ生命公式サイト情報)。
サービス内容・特徴
受取コースは3種類です。「大学入学時のみ一括」「小・中・高+大学入学時に分割」「大学入学時+在学中に分割」から選べます。契約者が18〜65歳であれば基本プラン(保険料払込免除特則つき)に加入できますが、別に「保険料払込免除なし型」を選ぶこともでき、この型には契約者年齢の上限がありません。医療特約・災害保障・先進医療保障を合わせて3種類まで付加できるため、教育資金の準備と医療保障を一本化したいニーズに対応できます。全国の郵便局で対面相談・申込ができるのも特徴です。
メリット・デメリット
- メリット:全国の郵便局で対面相談できる利便性。医療特約などを付加して保障を厚くできる。2026年5月の改定で多くの条件が元本超えになった。
- デメリット:返戻率は3社の中で最も低い水準。契約者の年齢・性別によっては改定後も元本割れする条件が残る。「増やす」ことを目的にするなら他の選択肢も検討したい。
明治安田生命「つみたて学資」の特徴・詳細
保険料・返戻率
公式サイトに明記されている最大返戻率は129.2%です。契約者25歳男性・被保険者0歳・21歳満期・基準保険金額70万円・一括払込(10歳払込満了相当)という条件での数字で、2025年11月1日現在の保険料率が2026年10月時点でも同一ページに掲載されています。月払いで加入する場合はここまでの数字にはならず、契約者30歳男性・被保険者0歳・受取総額200万円の条件で、10歳払込満了なら月額13,761円で返戻率121.1%、15歳払込満了なら月額9,563円で返戻率116.1%になるという算出例が第三者サイトで紹介されています(※一括払込の129.2%とは条件が異なる数字なので、混同せず「月払いなら116〜121%程度」として見てください)。
サービス内容・特徴
払込期間は10歳または15歳払込満了から選び、0〜2歳で加入した場合に限り10歳払込も選択できます。受取は18歳から21歳になるまでの4年間、毎年教育資金として受け取る設計です。医療診査は不要で健康状態の告知のみで加入できますが、医療特約などの付加はできない「貯蓄特化型」の商品です。契約者が死亡、または身体障害表第1級・第2級に該当した場合は、以降の保険料払込が免除され保障は継続します。
メリット・デメリット
- メリット:3社の中で返戻率が最も高い水準。受取額が契約時に確定するため教育費の計画が立てやすい。医師の診査が不要。
- デメリット:最大返戻率129.2%は一括払込の条件であり、月払いでは116〜121%程度にとどまる。医療特約などを付加できないため、保障を厚くしたい場合は別の保険で補う必要がある。
JA共済「こども共済」の特徴・詳細
共済掛金・返戻率
JA共済には「学資応援隊」「にじ」「えがお」の3タイプがあり、公式サイトにはタイプ別の返戻率一覧が公開されていません。個別のシミュレーションで確認する案内になっています。第三者サイトが紹介している参考値では、貯蓄重視の学資応援隊が100%台前半〜105%程度、祝金型でバランス型のにじが95%台〜100%程度、保障色の強いえがおが90%台前半とされていますが、これは公式が保証した数字ではない点に注意してください。加えて、JA共済連の事業年度の決算状況によって割戻金が発生する場合がありますが、これも保証された金額ではありません。
サービス内容・特徴
子どもの加入年齢は0〜12歳で、出生前加入特則を使えば出産予定日の140日前から加入できます。契約者の加入年齢は18〜75歳と、3社の中で最も幅が広い設定です。学資応援隊は18・19・20・21歳で学資金を受取り、22歳で満期共済金を受取る計5回受取タイプ。にじ・えがおは3・5・11・14・17歳の進学・入学タイミングで祝金を受け取り、満期は18歳または22歳から選べます。えがおはにじに共済金割増支払特則を付加した保障重視型で、契約者に万一のことがあった場合の保障がより手厚い設計です。契約者が死亡、または所定の第1級後遺障害等になった場合、以降の共済掛金の払込は免除され、学資金・満期共済金は継続して受け取れます。
メリット・デメリット
- メリット:契約者加入年齢が75歳まで広く、祖父母が契約者になりやすい。3タイプから「貯蓄重視」「バランス」「保障重視」を選べる。全国のJA窓口で相談できる。
- デメリット:公式サイトに返戻率の一覧がなく、個別シミュレーションをしないと具体的な数字が分からない。生命保険契約者保護機構の対象外で、保険とは異なるセーフティネットである点を理解しておく必要がある。
こんな家庭に向いている・向いていない
数字だけ見ると、明治安田生命が一番良さそうに見えますが……。
返戻率だけで見ればそうなりますが、それぞれ向いている家庭が違います。窓口のアクセスや保障の厚み、誰が契約者になるかで最適解は変わってきます。
かんぽ生命が向いている家庭
- 最寄りの郵便局で対面相談しながらじっくり決めたい
- 教育資金と医療保障をできるだけ一つの契約にまとめたい
- 返戻率よりも「全国どこでも相談・手続きができる安心感」を優先したい
明治安田生命が向いている家庭
- 返戻率(貯蓄効率)を最優先で比較している
- 一括払込、または10〜15歳までの払込に対応できる家計の余裕がある
- 医療保障は別の保険で確保済みで、学資保険には貯蓄機能だけを求めている
JA共済が向いている家庭
- 祖父母が契約者になって教育資金を準備したい(契約者75歳まで加入可)
- 農業に関わる世帯、または最寄りにJAの窓口があり相談しやすい
- 貯蓄重視・バランス型・保障重視の3タイプから家庭の方針に合わせて選びたい
3社から選ぶときの考え方
比較の軸は「返戻率」「契約者になれる年齢」「保障の厚み」「窓口の使いやすさ」の4つです。返戻率だけで選ぶと明治安田生命が優位ですが、医療特約を付けたいならかんぽ生命、祖父母が契約者になるならJA共済、という具合に目的によって逆転します。まず「教育資金をいくら・いつまでに準備したいか」を決め、次に「誰が契約者になるか」「窓口はどこが通いやすいか」を確認し、最後に各社の公式サイトやシミュレーターで自分の条件での返戻率を試算する、という順番で進めると比較しやすくなります。
よくある質問
Q. JA共済は農家じゃないと加入できませんか?
加入できます。JA共済の「こども共済」は組合員以外の方(准組合員)でも加入でき、農業に従事していない世帯でも利用されています。詳細な加入条件は最寄りのJA窓口で確認してください。
Q. 返戻率が一番高いのはどこですか?
公式サイトで数値が公開されている中では、明治安田生命の最大129.2%(一括払込・特定条件)が最も高い水準です。ただしこれは一括払込時の数字で、月払いにすると116〜121%程度になります。JA共済は公式の返戻率一覧が非公開のため、個別シミュレーションで確認する必要があります。
Q. かんぽ生命は改定前と比べて本当に良くなったんですか?
2026年5月2日の改定で、契約者30歳男性・基準保険金額500万円の条件では返戻率が98.5%から101.8%に改善しました。ただし契約者の年齢が高い場合(50歳男性で99.6%など)は改定後も元本割れする条件が残っています。自分の年齢・性別での試算を公式サイトやコールセンターで確認することをおすすめします。
Q. 3社とも途中で解約するとどうなりますか?
3社ともに、加入から数年以内に解約すると解約返戻金(またはJA共済の場合は解約返戻共済金)が払込総額を大きく下回ります。特に加入直後はほぼ戻ってこないケースもあるため、途中で払い続けられなくなるリスクを考えて、無理のない払込額・払込期間を選ぶことが大切です。
Q. 3社とも同時に資料請求して比較していいですか?
問題ありません。各社の資料請求やシミュレーションは無料で、同時に複数社に申し込んでも構いません。実際の返戻率は契約者・被保険者の年齢や性別で変わるため、同じ条件で3社のシミュレーション結果を並べて比較するのが確実です。
まとめ:こんな家庭におすすめ
まとめると、返戻率を最優先するなら明治安田生命、郵便局での対面相談や医療保障のセットを重視するならかんぽ生命、祖父母が契約者になりたい場合や保障重視・バランス型まで選択肢を広げたいならJA共済という整理になります。かんぽ生命と明治安田生命は保険、JA共済は共済という制度の違いも忘れずに。
うちは祖母が「孫のために何か出したい」と言ってくれているので、契約者年齢の幅が広いJA共済も候補に入れて、まず3社とも資料請求してみます。
各社の資料請求・シミュレーションはすべて無料です。まずは同じ条件(子どもの年齢・受取希望額)で3社の試算結果を並べてみてください。
それぞれの詳しい口コミ・評判は明治安田生命「つみたて学資」の口コミ・評判、JA共済「こども共済」の口コミ・評判、かんぽ生命の口コミ・評判のページでも確認できます。かんぽ生命と明治安田生命の2社だけで保障内容を深掘りしたい方はかんぽ生命と明治安田生命の比較ページ、複数社をまとめて比較したい方は学資保険ランキング2026年版、そもそも学資保険が必要か迷っている方は学資保険は本当に必要?の解説ページもあわせてご覧ください。
※本記事の保険料・共済掛金・返戻率は2026年10月時点の各社公式サイト・公開情報をもとに作成しています。かんぽ生命の改定後返戻率(101.8%・102.0%・99.6%)とJA共済の返戻率は、いずれも公式サイト本体には数値が掲載されていないため、第三者サイトで紹介されている算出例であることを明記しています。実際の保険料・共済掛金・返戻率は加入者の年齢・性別・払込方法・受取コースなどの条件によって異なります。最新情報は各社公式サイトまたは窓口・担当者にご確認ください。